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メディアへの寄稿履歴 若者の力で変革を

【2015年9月30日 南日本新聞 ”南天” 掲載】

先日、東京でタクシーに乗ったら運転手が若い女性だった。
「おや、あなたみたいな若いドライバーは珍しいねえ」と話しかけると「はい、新卒なもんですから」との返事。「えっ、新卒」。俄然私の好奇心に火がつく。「はい、大学を今年卒業しました」「どうしてタクシーの運転手になろうと思ったの?」と直球の質問。「就職活動でいろいろ調べていたら、なんだか面白そうだったので応募しました」。ホホウ、それは興味深い話である。

会社説明会の時、「タクシー業界は運転手の平均年齢も高く体質が古いので、若い人材にどんどん変えてほしい」と言われたらしい。「なるほど。ところであなたみたいな応募者は多かったの?」と、さらに聞いてみた。「今年の採用は100人くらいで、そのうち20人くらいが女性。でも新卒はさすがに少なかったです」

何か目標はあるのか、将来についても聞いてみた。「ゆくゆくは、数字を見たり全体の業績をチェックしたりという仕事を考えています」。やはり管理職。経営側を想定している。こんな話をしているうちに車は目的地に。聞きたいことはまだいっぱいあったが仕方がない。

 

さまざまな場面で「変革」のムーブメントが始まっていると感じる。タクシー業界では、変革の必要性を外に向かって訴え、彼女のような若い人材が呼応した。女性の新卒者がタクシーの運転手を目指すなど昔は考えられなかった現象だ。

まずはこちら側(業界の側)から発信しなければ始まらない。要は、業界側が変革の必要性を切実に感じているかどうかである。その必要性を感じていても、守旧のベクトルが強く働くため、大抵の業界は行動を起こそうとはしない。

若者が飛びつくことなどないだろう、と思っていた業界でも、その危機感を切実に訴えて、彼らの力や知恵を歓迎する意向を示せば、案外良いマッチングが成立するのかもしれない。