連載コラム MCコラム第18話 経営と深く関係するメディアのあり方と時代性について Ⅱ
変わってしまったメディアのあり方・・その特徴については、いくつか挙げることができます。
まず、「選ぶ」から「検索する」に変わったということです。
テレビ番組というのは、基本的に「選ぶ」対象です。
新聞なりの番組欄を見て、観たい番組にチャンネルを合わせ、その放映時間になったらテレビの前に陣取ってその番組を見る訳です。
今の、特に若い人は、様々な選択肢があるなかで生きているために、そういった場所と時間の両方が制約されるということを好みません。
好きな時間に好きな場所で好きなようにやりたいのです。
そうなると今のテレビのあり方はだんだん厳しくなることが予想されますし、実際そうなっているようです。
つまり、あらかじめいっぱい並べられたコンテンツの中から選ぶのではなくて、「こんなものはないのか?」と、こちらが事前に指名或いは想定したものを「検索」するというスタイルに変わっているのです。
選ぶ主体性はこちら側にあります。
しかも、見たい知りたいコンテンツが、ただ選びやすかったり見つけやすいというだけではありません。
スマホを使えばそのコンテンツを「今、ここで」見ることができる、と、時間と場所も選択自由なのです。
この、ネットという媒体によって得られる自由度は、極めて大きいと言わざるを得ません。
これだけ極端な自由度を手に入れた世代が、主として発信側の都合が優先される旧メディアのサービス体制に、以前のような形で戻ることは考えられないのです。
もちろん、旧メディアがすぐになくなるとは思いませんが、例えば朝刊の宅配が大きくその数を減らすとか、テレビはそのほとんどを録画して好きな時間帯に見るようになるとかいった変化は止まらないでしょう。
そうなれば、テレビの「ゴールデンタイム」のような特別な時間枠といった考え方は、やがてほとんど意味がなくなるといっても過言ではないでしょう。
メディアを取り巻く環境が大きく変わった中で、その特徴の2番目は、メディアのチャネルがめちゃくちゃ増えたことと、そのほとんどが双方向性であるということです。
インターネットを基盤とした様々な媒体、特にSNSに関してはそのサービスはより取り見取りです。
ツィッター、FB(フェイスブック)、インスタグラム等、様々な媒体を選ぶことができます。
こんな風にコラムを書いて、それをHPで発表することも可能です。
しかも、このコラムは自社のHPだけでなく、同業者グループのHPでも取り上げてもらっています。
もし、他のコラムなどで引用でもしてもらえば更に広がっていく訳です。
パーソナルメディアとはいえ、接点を持つ人たちの大きな分母を作っていくパワーとスピードは、決して侮れたものではないのです。
私は普段FBをよく触っていますが、情報の受発信についてはその両方を割とまめに行なっている方かも知れません。
中にはほとんど読むだけで、自分からはコメントを入れてこない人もいます。
こういう人は情報の受信媒体としてだけ、FBを位置付けているのでしょう。
ただ、そんな人も「いいね」はポチッと押してきたりしますので、完全に双方向性が成立していない訳でもありません。
このチャネルの多さと、双方向性がSNSを中心としたパーソナルメディアの大きな特徴といえましょう。
更に、SNSはそれ自体を増殖させることができます。
個人レベルでは発信する情報の総量にもコンテンツのバリエーションにもある程度限界があるかも知れません。
しかし、法人であれば、スタッフをうまく動員すれば、組織的に様々な情報を複層的に発信することも可能です。
したがって、SNSを複数運営してそれを媒体として活用することも不可能ではありません。
つづく