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連載コラム MCコラム第162話 社長を「行動する人」に追い込むには・・―「実践」と「情報発信」は表裏一体であることを知る―

私たちコンサルタントが、経営者の皆さんと接していて最も悩ましいのは、なかなか必要なことやるべきことを実践してもらえないという事実です。

会社の抱える課題に対して、コンサルティングを実施して、「これこれを実行すれば効果がある・・」というところまで一緒に特定したにもかかわらず、簡単には社長の腰が上がりません。

課題の解決に向かってやるべきことを確認した後しばらく経って、一向に進んでいない状況に

「やる、とおっしゃったじゃないですか。」

と、申し上げても

「いやあ、いろいろあってつい先延ばしになってしまった・・・」

といったお話は、わりと多いものです。

 

何故でしょうか? 

それは、人間は本来保守的な動物で、「変えた方がいい」或いは「変わらなければならない」とわかっていても、実際行動に移すとなると、ギリギリのところで億劫になりやすいからにほかなりません。

 

私なども学生時代を思い出すと、日頃から勉強しておけばいいのに、試験前ギリギリになってもなかなか手がつかず、直前に徹夜に近い準備しかできずに結局苦い思いをした、などということはしょっちゅうでした。学生の話ならいざ知らず、社会人しかも経営者となってからもそれでは、先が思いやられます。「やればいい」とわかっていることを、実際に実践するところまでもって行く何か確実ないい手はないものでしょうか。実践を習慣づける何かいい方法はないものでしょうか。

 

私はそれを、日頃からの「情報発信」に託してみてはどうか、と考えています。

大事なことを実践してみる前に、世の中に発表してしまうのです。

外に向かって公(おおやけ)にしてしまえば、やらないわけにはいきません。そうやって自分を追い込むというのも、一つの有効な手段ではないかと考えるのです。

 

私の場合、普段からかなり「情報発信」を実践していますので、考えていること、構想を抱いていることなどは、やる前から世間に公表しています。例えば、このコラムなども「週に1回必ず書いて発表します。」と、宣言しているため、サボるわけにはいきません。セミナーも事前のインフォメーションから実施報告まで必ずHPなどに掲載していますから、間がしばらく空けば「おや?どうしたのかな?」と、知っている人からは不思議がられることになります。「活動停止か?」などと思われるわけにはいきませんので、がんばってセミナーなども継続していくことになるのです。

 

つまり「やるべきこと」を当たり前のレベルまで引っ張ってくるために、「情報発信」を習慣づけているのです。私がコンサルティングを実施しているお客さんの中には、ラジオでHP(ホームページ)による日常的な情報発信を宣言したために、それまでのHPをリニューアルした農業経営者の方もいました。彼は、今では「情報発信」と現場での「新たな取り組み」(農業はこれが多いらしいのです。)は、ほとんどペアになっています。試行錯誤の現状をリアルタイムで発信し、各方面からのアドバイスや新たな情報をもらっているようです。

 

このように「情報発信」を「実践」に紐づけることで、実践の確実性を上げていくというのは極めて現実的で有効な手法なのです。

 

さらに、逆の角度からも「情報発信」の有効性を引き出すことができます。

先述のように、私はセミナーを実施した場合、必ず事後報告を行ないます。実践したことは、必ず「情報発信」のお皿の上に乗っけることにしているのです。

 

つまり、実践したことが多ければ多いほど「情報発信」の厚みが増し、バリエーションが増えることになります。

私の場合、セミナーに限らず、実行したことはSNSやメディアなどで明らかにするようにしています。こういった実践事例の豊富さは、太く長く世間に向かって「情報発信」を続けていく原動力にもなるのです。

このことの効果は大きく、「かなり活発に活動している事業所だな。」と世間に印象付けることになり、その後の受注にもつながっていくのです。

 

お分かりになったでしょうか。このように、「情報発信」と「実践」は表裏一体となって、お互いを補完し、高め合うことになります。

「情報発信」は、「やるべきこと」の実践前であっても、実践後であっても、それを行なうことでマイナスになることは全くありません。プラスの効果しかないのです。

 

企業経営において「やるべきこと」は、いくらでもあります。特に流動性の激しい現代経営においては、変化や革新を伴なう「やるべきこと」は避けて通ることができません。それを回避した途端、我が社だけが世の中や時代に置いて行かれることになるからです。

 

しかしながら、冒頭にも書きましたように、この変化を伴なう「やるべきこと」に関しては、なかなか腰が上がらないのが、経営者一般の傾向です。その重い腰を動かす有効な方法論が「情報発信」なのです。

 

「情報発信」のこういった効果について、気がついている人はまだ少数派です。

それは、まだ「情報発信」そのものが、経営者の間で習慣づいていないからにほかなりません。

別に、この効能を除いたとしても「情報発信」そのものが、すでに現代経営に欠かすことのできないポジションを担っているのです。

 

「情報発信」の波及効果に一刻も早く気付かれて、企業を発展させる様々な「実践」につなげられることを強くお勧めします。