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連載コラム MCコラム第160話 社長は社長に必要な資質を身につけなければならない―それを手に入れる最短の方法は○○○○―

 

私は、以前経営者に必要な資質は「洞察力」「先見性」と書きました。これらが、経営者として最も必要な資質であることは間違いありませんが、そのほかにも「統率力(リーダーシップ)」「包容力」「人心掌握力」などを挙げる人もいるでしょう。また端的に「魅力」とか「胆力」「気力」という、短い言葉で表現する人もいるかも知れません。具体的なところでは「能力」「理解力」或いは「交渉力」などを挙げる人もいると思います。

 

いずれにしても、経営者ともなれば一般人とは少し違った、こういった力量が問われることは間違いありません。経営者は好むと好まざるとにかかわらず、上記のような資質を持たなければならないのです。

 

しかし、普段の実務において、こういった点ばかりに気を配っていればいいかというと、そうもいきません。中小企業経営者であれば、日常の業務にも忙しく取り組まれているはずです。つまり、経営者にはあまり時間がないのです。にもかかわらず、この忙しい時間の合間を縫って身につけなければならないことは、実に多いと言えましょう。

 

特に冒頭に書いた「洞察力」や「先見性」「リーダーシップ」といったものは、会社の行く末を考えたときに、身につけないで済むものではありません。「いろいろ努力したけど結局身につきませんでした・・・」では、会社の将来を危うくします。なにか、こういった重要な資質を、比較的短い時間で身につける良い方法はないものでしょうか。

 

私はそれを、

「少し大変だけれど、アウトプット(「情報発信」)することで身につけたらどうですか。」

とご提案したいのです。

「アウトプット?アウトプットでそんなことが果たして身につくのか?」

と疑問に思われることでしょう。しかし、これは有効かつ極めて重要なメソッドになります。なおかつ時間の短縮が可能です。試してみる価値が大いにあるのです。(私はこれまで「情報発信」という言葉を使ってきましたが、今回はそれを「アウトプット」と言い換えて説明します。両者は同義語と考えてください。)

 

例えば、受験勉強を思い出していただきたいのですが、受験勉強における最強の入試対策は過去問を繰り返し解くことだと言われています。基礎的な学力が全くなければ話は別ですが、ある程度勉強をこなしてきた学生ならば、最も効果的な受験対策は、過去問を解くことによる実践シミュレーションです。

 

経営者にも同じことが言えるのではないでしょうか。ある程度経験を積んできて、インプットもそこそこ重ねてきた経営者ならば、そのインプットされた数々の情報を改めて咀嚼し、理解を深め、自身の中で整理しアウトプットするべきです。

そのことによって、それまで積み重ねてきた経験やインプットしてきた知識といったものが初めて我がものになります。インプットは大事ですが、いくら知識を自分の中に貯めこんでも、それを吐き出さない限り、本当に我がものにはなりません。

 

ところで、普通はそういったものは実務経験の中で身につけて行きます。

インプットした情報や学習した知識が実務経験と重なったとき、初めて本当に自分のものとなります。

ただ、インプットした知識やノウハウをそれがピタッとくる実務経験と重なるときまで待つわけにもいきません。それはいつになるかわからないからです。できることなら少しでも早く我がものにしたいところです。

 

その、我がものにするためのショートカットの最適な方法がアウトプットなのです。

真面目にインプットを継続している経営者であれば、その時間やエネルギーの3分の1はアウトプットに回すべき、と私は考えます。

本当は半々でもいいくらいなのですが、さすがに多くの経営者は、まだそのやり方には慣れていないと思います。ですから、初めは3分の1くらいのエネルギーでいいので、アウトプットに回してほしいのです。

私の見るところ、残念ながらこのインプットとアウトプットのバランスをとっている経営者は、まだほとんどいません。

 

受験勉強における過去問対応が最も効果的であるように、経営者の資質向上にはアウトプットが最短で最も効果的なのです。どちらも、正面から向き合うには少し苦しいやり方であり、避けたくなる気持ちはわかりますが、限られた時間の中での効果は抜群といえましょう。

 

ただし、経営者のアウトプットが受験勉強と違うところは、受験勉強の方はより短期勝負であり、おそらく受験が終わってしばらく経ってしまえばその内容はほとんど頭に残っていないだろう、ということです。また、後生大事に残しておくほどのものでもありません。

 

これに比べて、経営者がアウトプットした内容は短期的に忘れ去られるものではありません。

自分で考え自分の言葉で発進したものは、自分の中に残ります

それは忘れ去るものではなく、アーカイブとして自分の中に蓄積されていくのです。ここが、一過性の受験勉強とは決定的に違うところであり、アウトプットすることの大きな意味なのです。

 

とはいえ、もちろん1回1回のアウトプットがものすごく濃いものである必要性はありません。そこをあまり強く意識してしまうと息切れがして長く続けることができなくなります。

 

ただ、経営者のアウトプットは、少なくとも自分の専門分野、或いはプロフェッショナルとしての矜持からあまり離れた内容にして欲しくないと思います。

常にご自分の経営者としての立ち位置や専門性、見識、俯瞰性、先見性といったものは意識して発信するべきでしょう。

 

今回、「洞察力」や「先見性」「リーダーシップ」といった経営者に欠かすことのできない資質を、短期間に確実に身につけるにはアウトプットが最も効果的である、と書いてきました。

しかし、そのアウトプットしていく内容には、先述のように、専門性や俯瞰性、先見性といった「条件」が付くことも事実です。なんといっても、まずアウトプットを始めることが大事なのですが、それを効果的なものにするにはもう一歩踏み込んで、その発信する内容についてきちんと吟味するという取り組みが必要です。

 

今、このアウトプットに関する重要性を説いた書籍が次第に増えています。世の中がアウトプットの重要性に気づき始めた証拠でもあります。こういった本を読んでみるのも効果的な対策とは思いますが、なんといっても最も効率の良いショートカット法は、直接先駆者にレクチャーを受けることです。

 

率直に申し上げて

「経営者が「洞察力」や「先見性」「リーダーシップ」といった資質を、短期間に確実に身につけるためのアウトプット法」

となると、ハードルはそれほど低いものではありません。

短期間でしっかり身につけるためには、先駆者の専門的なコンサルティングを受けられることをお勧めします。その学習の過程でさらに大きな発見があるかも知れません。私はこのノウハウをしっかりと経営者にお届けしたいと思っています。