連載コラム MCコラム第26話 社長の情報発信、そんなに続くものなのか?―ネタ切れの恐怖と戦う― Ⅲ
というのは、様々な課題がよりクリアに見えてきたりその解決策を思いついたりするのは、この「別の視点」を持った時に多く起こるからです。
例えば、大企業の不祥事を見て
「ああ、こんなことをやっているからダメなんだよなあ。しかしこれはいろんな業界、いやお客さんの会社単位でも言えることだぞ。」
と気付かされたりする訳です。
私も、こういったほかで起きた事象や現象を、自分が現在取り組んでいるテーマに置き換えてみるようにしています。
そしてそれを書いたりしゃべったりさせてもらっているのです。
このように、その時代性とか起こった事象とかを自分が抱えているテーマに関連付けて見られるようになれば、その行為自体何らかの形でアップデートしているわけで、常に新しい切り口になります。
それを転用するのですから、書いたりしゃべったりするネタに困る、ということはないことになります。
こう書いてくると、なんだかちょっと安易な手法に聞こえるかも知れませんが、決してそんなことはありません。
というのは、前述したようにこの「関連付け」によって、問題解決の糸口が見つかったり、潜んでいたあらたな課題が垣間見えてきたり、とそれなりに有意義な発展性があるからです。
つまり、放送や連載といった形の情報発信を続けるということは、半ば「強制的」にその内容を考え続けなければならない状況に自分を追い込むことになります。
そのことが、自らの視野を広げたり物事への考察を深くしたりすることに繋がるのです。
聴取者や読者という第3者が絡んでいるので、怠ける訳にはいきません。
経営者の情報発信は、このように思わぬ副産物を生みだします。
それよりも何よりも、自らの成長発展につながることは確かです。
経営者の皆さんはあらゆるこういった機会を逃さないよう、有効な情報発信を心掛けてください。