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連載コラム MCコラム第102話 社長の「情報発信」は誰に向かってのものなのか―常にターゲットを明確に意識する―  

 

 

これまでもご紹介してきましたように、私はSNSや地域メディアを通じて、自らの事業に関して、かなりの量の「情報発信」を続けています。

ところでいきなり原点に帰りますが、これらの「情報発信」は、いったい誰のためにやっているのでしょうか・・・・・

 

それは、言うまでもなく「顧客或いは顧客候補がいるであろう、私の事業に関係する市場(マーケット)」に向かって発信しているのです。

これは当然のことで、私の事業に何の関係もない人々に向かって、自分の趣味やプライベートな話など発信しても、ほとんど意味のないことだからです。

 

もちろん逆もあります。世の中には、事業のことには一切触れずに、むしろ趣味の世界やプライベートなことを気楽に発信したい、という人もいるかも知れません。それはそれで、一つの世界観ですので全くかまわないと思います。ただ、私はそういう世界(趣味などの)を持っていない無粋な人間ですので、ひたすら事業に関する情報発信を行なっているわけです。

 

また、仕事として経営者にレクチャーしている「情報発信コンサルティング」についても、「事業に関するもの」に限定しています。

まあ当たり前のことですが、ご自分の趣味に関する情報発信を他人から習おう、などと考える人はいるはずもなく、そういった世界はマイペースで楽しくやればいいのです。

 

さて、話は戻りますが、「情報発信は、顧客或いは顧客候補に向かって行なうべし」というのは、極めて重要なポイントです。ここがはっきりしていないと、どうでもいいような話を言い散らす、書き散らすということになりかねないからです。

 

そもそも、私のコンサルティング分野である「情報発信」は、本質的な意味で事業の中核をなすものではありません。事業の中核をなすのは、例えば製造業であれば製造技術や作られた製品であり、流通業やサービス業であれば営業活動であり販売そのものということになります。「情報発信」は事業の中における販売促進策の一つで、先に述べた中核部分を補完、サポートするものなのです。

 

とはいえ、中小企業の場合、この販売促進部門が事業を遂行していく上での大きな弱点となっているために、何らかの手段で強化する必要があるのでは、と私は考えてきました。

中でも、先に述べた「誰が顧客であり顧客候補なのか」という、ターゲットの選定がはっきりしておらず、そこに対する情報の発信力も極めて弱かったからです。

 

また、わかっているつもりでも、それはもう陳腐化した昔のイメージの顧客候補であったり、現代的な市場(マーケット)の把握がずれていたりと、ターゲッティングに関する見直しが必要と感じたからにほかなりません。

ほとんどの業種において、新しいマーケットやターゲットの発見や開拓が必要な時代に至っていると思うのですが、そこにはまだ手つかずの状況なのです。

 

それでは、新しいマーケットやターゲットを掴むにはどうしたらいいのでしょうか。

それには、順番が逆に聞こえるかも知れませんが、「情報発信」を続けることが非常に効果的なのです。

なんだか「卵が先か鶏が先か論争」みたいになってきました。

 

「え、ターゲットを決めてから情報発信をするんじゃなかったの?」

という声が聞こえてきそうです。

そうです。その通りなのです。効率的な情報発信はターゲットを絞ってそこに向かって発信するのが一番であることはもちろんです。

しかし、なかなかターゲットを把握したり絞り切ることができない場合は、それを探るためにも、とりあえず「情報発信」を先にどんどんやっていくというやり方が効果的なのです。

 

そもそも、私が行なっているラジオ放送や新聞のコラムは、その聴取者や読者は一般の方です。私が顧客として想定している事業経営者とは限りません。

ところがときに、私の発信情報に対して、想定外の支持者が現れることがあります。

 

例えば、都会からUターンしてきた小規模農業従事者というのは、もともと私のターゲットとしては想定していませんでした。ところが、「ラジオを聞いた」というある農業従事者が事業プランニングを依頼してきました。聞いてみると、今は小規模ながら、将来に対しては壮大な構想をお持ちだったのです。

 

これ以来、以前は私のコンサルティングの対象としていなかった農業関係者も射程に入って来ました。地方の場合、農業だけでなくその周辺の事業、例えば指定契約栽培、食品加工、産地直売、地産地消飲食業、生産物一括流通など様々な分野のビジネスが存在することが判明したのです。これらは私の重要なターゲットになりつつあります。

 

つまり、「情報発信」が新たな市場の開拓を生んだことになります。

「自らの事業に関する情報」という、大前提を外さずに発信を続けていれば、それに呼応するように新たなターゲットを掴むチャンスは増えてくるのです。

 

何度も言っていることですが、こんなこと(継続的な「情報発信」)を頑張って続けている経営者は極めて少数派ですので、それだけで差別化になります。

そして、想定していなかったターゲットからアプローチされるチャンスも膨らむのです。

 

これからの時代、事業遂行上必要不可欠な条件は、常に新しいマーケットやターゲットを追求し続けることです。

その条件を確保するためにも、経営者自らが行なう「情報発信」を続けてみて下さい。