連載コラム MCコラム第27話 社長に与えられた数少ないチャンスを活かすのはやはり社長! Ⅰ
事業経営を軌道に乗せて安定した利益を出し続けることが極めて難しくなった現在、経営者は周りから様々な経営手法や勉強の機会を勧められます。
それは、経営計画の策定であったり、経営理念の勉強であったり、モチベーションの保ち方であったりといろいろです。
私も、コンサルティング業の他に会計事務所のトップという立場もありますので、お客さんに目標設定や経営計画の策定を勧めたり、経費の見直しに取り組んでもらったり、と経営を上向かせるための施策については、様々な方法論をお勧めしているのです。
これはこれで、社長が必要と感じたり有効かも、と思われるものについては前向きに取り組んでもらいたいと思っています。
時間とお金が許すならば、できるだけこういった取り組みに対しても努力するべきです。
ところで、これらの方法論には一つの特徴があります。
それは、ほとんどの場合こういった取り組みを実践しても、その内容は直接お客さんに問いかけるものではない、ということです。
例えば、経営計画で「売上これこれを目指そう。そして、利益はこれこれを達成しよう。」といったものを作ったとします。
その内容も良く吟味されて、かなりいいものが出来上がったとしましょう。
それでも、それを作った時点では、お客さんとは何の接点もありません。
つまり、こちらが苦労して経営計画を立てようが、それがどれほど素晴らしいものであろうが、そんなことを知る由もないお客さんにとっては全く関係のない話なのです。
立派な経営計画を立てるということは、それに基づいてこういった行動を起こそう、それがお客さんに支持され、売上にこういった形で反映されるだろう、という具体的なところまでいかないと意味がない訳です。
つづく