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連載コラム MCコラム第206話 社長たちの意識を大きく変えた新型コロナウイルス禍―変化に対応できるのか?!?―

 

日本における新型コロナウイルス禍は、まだ完全に収束したわけではありませんが、ようやくいろいろな経済活動もその動きを取り戻しつつあります。政府の緊急事態宣言に始まって、これまでに私のビジネスの周りでも様々な変化が起きました。
その中には、これからの日本におけるビジネスシーンを象徴するような出来事(主に中小企業においてですが・・)もいくつか見られましたので、それらについて整理し、ご報告してみたいと思います。

まず、私の経営する会計事務所(社員18名)においては、全員がテレワーク、リモートワークに対応できるように準備を進めました。
幸い、事務所が立地する鹿児島県の田舎の方までは、ウイルスは蔓延してきませんでした(鹿児島県の患者発生数は結果的に10人止まり)ので、職場を完全閉鎖して全員を自宅待機させるという事態には至りませんでした。ただ、どうなっても不思議ではない状況ということを想定して、順次数人ずつ自宅待機させてリモートワークの実験的な導入は現在でも進行中です。

先日は、私の所属する会計人グループの支部例会(会員は全国にいます)を「テレビ会議」という形で行ないましたが、いろいろな報告を受ける分には、特に何の問題もありませんでした。
とはいえ、かなり人数が多かったので、画面のコマ割りには限界があるように思えます。
やはり、テレビ会議は少人数のものに向いており、「総会」的なものはちょっと難しいのかも知れません。

さて、仕事の中で一番肝心なことは、お客さんとのやりとりです。会計事務所の場合、原則ご訪問して、会計データのチェックや処理を行ない、顧客企業の会計担当者や経営者とのコミュニケーションを図ることを基本業務としております。今回、その接触機会をできるだけ減らすにはどうしたらいいか、ということを目的としましたが、完全実施には至りませんでした。訪問しないで済む場合は、電話やメールを多用して接触の機会をできるだけ減らし、訪問しても短時間で済ますよう努力する、というレベルにとどまりました。全体的には業務に大きな支障はきたさなかったと思います。

こんな風に、いろいろなケースを経験しましたが、最終的に経営者がどう感じたのかについて触れてみたいと思います。
印象的だったのは、或る社長さんでした。新型コロナウイルス禍の最中に電話がかかってきました。
コンピュータ会計ソフトを導入したいので、見積もりが欲しい。」との依頼だったのです。
これにはこちらが驚きました。というのは、これまでどんなに会計ソフトをお勧めしても「うちは手書きで間に合っているから・・」とか「経理を担当しているカミさんがコンピュータが苦手だから・・」とか様々な理由をつけて断っておられた方だったからです。
それが、今回の新型コロナウイルス禍に際して「これは、うちも最新の経理体制に移行しておかなければ、なにかあったときに対応できない。」と気づかれたらしいのです。
小規模の会社ではありますが、コロナウイルス禍を機に、これまでの考え方をチェンジされたようでした。

もう一つ、今回のことで経営者の意識が変わったのだな、と思わされたのは新聞のインタビュー記事でした。インタビューを受けておられたのは経済同友会前代表幹事の小林喜光氏(73歳、三菱ケミカルホールディングス会長)です。小林氏は今回の新型コロナウイルス禍に際して、ご自分もテレワークを実践され、いろいろなことに気づかれたようです。
そこで、小林氏は次のように発言されていました。
― この2か月、私自身もテレワークを行ない、通勤や移動の手間が省けて極めて効率的に働けると実感した。
「毎晩会食、土日はゴルフ」という生活がいかに異常か、この年で気づいた。
コロナ感染が収束しても、以前の仕事のやり方に戻してはいけない。―

ここで、私は初めて、財界のトップともなると「毎晩会食、土日はゴルフ」といった生活をしているのか、と知ったのですが、それが「いかに異常かこの年で気づいた」とおっしゃっているのですから、コロナ効果はそれなりにあったことになります。まあ、日本経済のこれまでの低迷ぶりを見ていると、気がつくのが少し遅いんじゃないか、という感想は別にして、この体験を今後に活かしていただきたいと思います。

上記、大小二人の経営者にとっても、今回の新型コロナウイルス禍は、新たな局面を提示したことになります。
つまり、これまでの考え方や行動パターンではもう通用しないのだ、ということを強く実感されたのではないでしょうか。
アフターコロナに関してはこれまで何回か書いてきましたが、現実に起こった変化について、今回はご報告してみました。おそらく、今後もっと大きく変化した様々な事象が顕在化してくることでしょう。
そういった変化に対して、いかに柔軟に対処できるかが経営者の手腕として問われてくるのだと思います。