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連載コラム MCコラム第109話 社長が二足の草鞋(わらじ)を履く理由―新しい挑戦分野はもう一足の草鞋―  

 

私は税理士とコンサルタントという二つの顔を持っています。

昨今言われているように、税理士の仕事が厳しくなってきているので、無理矢理コンサルタントをやっているわけではありません。

この二足の草鞋は、必要性があり、切っても切れない関係なので続けているのです。

 

そもそも会計というのは基本的に過去のデータの整理です。

済んでしまった経済取引を正しく記録し、計算し、整理するのです。そのデータを基に税務的な解釈を加えて申告書を作成します。この一連のプロセスにおいて、企業活動の未来に対してどうするこうするというアプローチは一切出てきません。それはまた別のものなのです。

 

これに対してコンサルティングというのは、ほぼ未来に対するアプローチだと私は思っています。

中には、決算書を分析してどうのこうの、というコンサルティングもありますが、会計の専門家としては、正直言ってそれで企業の未来が大きく変わるとは思えません。弱点に対する若干の矯正くらいはできても、企業の未来を形成するほどのコンサルティングにはなり得ないのです。

 

未来に対しては、それ専用のコンサルティングが必要です。

私はその方法論について自分で考え、実践し、結果を出しました。それを体系化したものが、私の提供するコンサルティングということになります。ただ、このビジネスと会計の分野とのギャップがあまりにも激しかったので、結果的に二足の草鞋を履くような形になったのです。

 

つまり、私の場合、過去に依拠した会計という仕事と、未来に軸足を置いたコンサルティングという仕事の両方を手掛けることにしたのです。

そうすると「どっちも中途半端になってしまうんじゃないの?」といった意地悪な声も聞こえてきそうです。「どっちか得意分野に絞るべきじゃないの?」と・・・・

これに対する私の答えは「いや、むしろ両方手掛けることが重要であり、当たり前なのです。」ということになります。というのは、税務会計顧問として担当してきた数百件のクライアントというのは、私にとって巨大なデータベースとも言えるからです。

 

実は、地方の中小企業、という対象を長年担当しウォッチングしてきたことで、知り得た独自の貴重な情報というものがあります。それは多くの企業が、未来に対して必要な学習、研究、投資をあまりやっていない、という事実です。普段からいろいろとアドバイスし、お勧めもしているのですが、ほとんどのお客さんがなかなか動こうとしません。未来に対して必要なアクションを起こさなければ、何も変わらないのはわかっているにもかかわらずです。

 

こうやって、いろいろなケースに当たることで知り得た地方における中小企業の傾向というものは、私の中に一つのデータベースとして蓄積されています。

そこで、こういった状況を打破するためには、未来に向かった専用のコンサルティングが必要である、と決断したわけです。

 

つまり、私は過去に依拠した会計という仕事と、未来に軸足を置いたコンサルティングという仕事の二足の草鞋を履くことにしたのです。

実は今、これと同じような発想のもとに、経営者には二足の草鞋を履いてもらいたい、と思っているのです。

 

その二足というのは、対内的なマネジメント対外的な「情報発信」の二つです。

これまで、ただ「今の時代、経営者が直接行なう「情報発信」こそが大事ですよ。」とお勧めしてきました。しかしながら、まだその本当の意味での重要性が伝わっていないような気がするのです。

 

経営者に「情報発信」の大切さをお伝えしても、どうやら広告宣伝の一部或いは広報にやらせておくもの、或いはたまにブログでも書くこと、ツイッターをちょこちょこやる、といった解釈にとどめているフシがあるのです。

私がお勧めしている、社長の「情報発信」というのはそんな軽いものではありません。

もっと戦略的に、もっと多重的、多層的に展開するものです。

 

そう考えたときに、これは対内的な対応が大半を占める企業経営の片手間にやれるものではないな、と思いました。

明確に外に向かって、これまでやってきた広報や広告とは全く違ったレベルで取り組んでもらわなければ意味がないのでは、と感じたのです。

つまり、経営者に「二足の草鞋を履く」くらいの覚悟で取り掛かってもらわなければその効果が期待できない、と思ったのです。

 

もちろん、それだけの覚悟や自覚は欲しいのですが、とはいえ忙しい経営者のことです。そこにのみ忙殺される訳にはいきません。

できることなら、効率よく効果的な「情報発信」の仕方というのを身につけてもらいたいのです。そうすれば、私の勧める本格的な「情報発信」にも取り掛かりやすいでしょう。

そういった点も含めて私のコンサルティングは準備が成されています。セミナーや個別相談を通じて、その入口だけでも垣間見て欲しいと思っているのです。