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連載コラム MCコラム第75話 社長、行動開始はお早めに―初動の早さがすべてを決める―  

 

 

私はかつて、コンサルタントとは別のビジネスで、企業(主に中小企業)にパソコン会計の導入を進めていたことがあります。

企業の経理部門にはパソコンの導入が不可欠、と考えたからです。他の複雑なコンピュータソフトの導入はなかなか難しくても、まずは会計ソフトから始めれば、企業のOA化(オフィス・オートメーションの略、人的処理作業などを、コンピュータを使って電子化していくこと)はスムーズに進むと考えたからにほかなりません。

時代背景としては、まさにぴったりで問題なく進むと思っていました。

 

ところが、この試みに対しては、思いのほか激しい抵抗を受けました。みなさん「そんなことはしたくない!」とおっしゃるのです。経理を手作業で行なっていることの方が不思議だった私にとって、これはかなり意外な出来事でした。

反対の理由は様々でしたが、主に次のようなことをよく言われました。

・操作が難しくてよくわからない。

・費用がかかりすぎるのでは。

・誤魔化しが効かなくなる。

・今までの方が慣れていてやり易い。

・それでどれほどの効果があるのか。

そのほかにも、やりたくない理由については山ほど言われました。

 

私にとって「たかが経理へのコンピュータ導入」と思ったのが、やりたくない人にとってはいかなる理由を並べてもやりたくない、ということだったのです。

とはいえ、時代の流れには逆らえません。あのとき、あれほど反対された経営者さんたちも、今では当然のようにコンピュータ会計を導入されています。

 

先に列挙した反対理由の中の最後に「効果がどれほどあるのか」というものがあります。

これは、私がコンサルタントとして何かご提案するときも必ず聞かれるセリフです。もちろんそういったご質問に対しては丁寧にお答えするようにしているのですが、その効果を完璧に数字で説明することはできません。新しい機械の導入とかであれば、「生産効率が何%アップします。」とか証明できるのでしょうが、販売促進部門の様々な提案に対してはかなりアバウトな説明しかできないのです。

 

先のコンピュータ会計導入の話に戻しますと、ここで「効果がどれほどあるのか」と聞かれても、これはいわば企業インフラの整備と言ったレベルのお話です。すぐに何百万円、何千万円、得しますよとか、儲かりますよと言った返事などできる訳がないのです。

逆に「じゃあ導入なさらないんですか?ずっと手書きの帳簿で行くおつもりですか?」と聞き返すしかないことになります。

 

経営者は、常に理詰めでものを考える必要性があるのはもちろんなのですが、アナログの世界からデジタルの世界へ、といったような大きな外部環境の変化に際しては、細かい理屈を言う前に、やるかやらないかを早期に決断すべきです。

もっともこの場合「やらない!」という決断はあり得ませんので、「やるんだ!」とさっさと決めるしかありません。元々、後戻りはできない世界なのですから、できるだけ早めに決断するしかないのです。昔と違って「よその様子を見てから・・」などと言っていたのでは、近代戦において決定的な後れを取ります。

 

私は同様のことを「企業の情報発信」についても言いたいのです。

企業のとりわけ企業経営者が直接情報を発信していくという流れは、おそらく皆さんが考えておられる以上に重要かつ大きな時流となっていきます。

 

というのは、今や一億総情報発信の時代になりつつあるからです。ツイッター、フェイスブック、インスタグラム、ラインなどSNSを通じて、あらゆる層の人が様々な情報を日々発信しています。個人でもこのレベルの時代なのです。

 

そんな中、企業の場合、ややその上を行って、自らを「メディア化」するくらいの勢いが必要でしょう。

何故ならば、企業組織では一個人より発信すべき情報の量が圧倒的に多く効果的だからです。こうやって発信された様々な情報が交錯することで、ビジネスをよりダイナミックに押し上げていく基点が作られていくのです。情報はもはや双方向に留まらずマルチ方向性の時代なのです。

 

この情報の多方向性が、今や普通の環境になりつつあります。

ということは、一日も早くその環境に参加し適合しておく必要があるのです。この状況は、先のコンピュータ導入のときとよく似ていると言っていいかも知れません。

 

とはいえ、この環境を自覚し、明確な意思を持って参画している企業も企業経営者も、中小企業ではまだまだ少数派です。情報発信が当たり前の時代になってきたとはいえ、企業の場合、個人間で行なっている軽い情報交換の世界とは一線を画さなければなりません。

この多層的多重的情報社会の中で、有意義な存在として受け入れられる企業の情報発信には一工夫も二工夫も必要なのです。

そのコツを掴むためにも、私が積み重ねてきた情報発信のコンテンツ作りやノウハウを活用していただきたいと願う次第です。