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連載コラム MCコラム第196話 社長、ムラ社会からの脱出を図っていますか?!?―素早く未知の分野にチャレンジできなければ生き残れない時代―

 

私は、経営者の皆さんに対して、専門分野である「情報発信(アウトプット)戦略」を語る前に、必ず「地縁血縁義理人情顔パスモデル」からの脱皮、決別を促してきました。

というのは、かつて日本の、特に地方のビジネス社会が依拠していたところの「地縁血縁をベースにしたビジネスモデル」では立ちいかなくなったからにほかなりません。そういったモデルに含まれる様々な要素を、すべて一つの言葉に押し込めたのが「地縁血縁義理人情顔パスモデル」ということになります。

これは別の言葉でいえば「ムラ社会」ということになるのです。

「ムラ社会」というのは、一つの地域や業界、団体、系列などがその内部のみで通用する了解事項のもとに運営管理され、外に対しては概して排他的な考えや行動をとることを意味します。一度、この世界を構築してしまうと、その内部においては、互いの基本的な了解事項が共有されているため、コミュニケーションは円滑で、様々な案件がスムーズに進行します。ただ、この状況が長く続くと、その円滑さにあぐらをかいてしまい保守的になりがちです。特に、外部からの変革圧力については、激しくそれを排除しようとする傾向が強いのが特徴です。

「ムラ社会」の特徴が最も強固に守られているのが、やはり「地域社会」ということになります。特に地方における地縁血縁をベースにした「ムラ社会」は、その保守性ゆえになかなか変わることができずにいるのです。これが個人間のおつきあいレベルで済んでいるうちはいいのですが、ビジネスの場に持ち込まれた場合、少し厄介なことになります。それは前述した「変われない」という点において、変化の激しい現代社会で、ビジネスを円滑に遂行する上での対応力が著しく損なわれるからです。

地方経済が疲弊している現在、こういった保守的な意識からの脱皮は必須であり、急務でもあります。

ただ、地方の経営者においては、その自覚は乏しく、一向に然るべき行動につながっていません。

ただ、日本の場合「ムラ社会」を形成しがちなマインドは、地方における「地域社会」に限ったことではありません。

今ではかなり廃れてきましたが、かつて「接待交際」という手段で、仕事先との仲間意識を醸成するやり方が全盛の時代がありました。

取引先を酒席やゴルフなどで接待し、親しくなったところで仕事の話に徐々に持ち込んでいく、という営業手法です。

地方の場合、成り立ちそのものが「ムラ社会」ですので、事情は少し異なりますが、後転的に「疑似ムラ社会」を作ろう、という点で根っこは同じと言っていいかも知れません。接待交際を通じて気心の知れた仲になり、その後の交渉や契約をやりやすくする、というのは、まさに疑似地縁血縁関係を構築する作業、と言っていいのではないでしょうか。もちろん気心が知れている、ということ自体悪い話ではありませんので、すべてを否定する気はないのですが、基本的に現代のビジネス感覚と合わなくなっていることは事実です。

またかつては、商工会や法人会といった団体、或いはロータリークラブやライオンズクラブといったクラブ組織に所属することがステータスであり、ビジネスにもプラスになるとされていました。これらに所属することも、一種のムラ社会への参加ということになります。クラブ組織は一つの理念団体であり、露骨にビジネスを持ち込んではいけないとされていましたが、会の活動が盛んだったころは、それなりに仕事上でもメリットはあったと思われます。

しかし、近年これらの団体やクラブ組織に所属するメリットや魅力は、かなり失われつつあるのではないでしょうか。いずれの団体、クラブ組織も、次第にその会員数を減らしており、かつての賑わいをなくしています。また、新規会員の確保もままならないと聞いています。つまり、かつて日本のビジネス社会の様々な場面で、かなりその効力を発揮した、「いろいろな形で、まず、なんらかの「ムラ社会」に所属してから、ビジネスを構築していく。」というモデルは、急速にその力を失いつつあるのです。

このモデルが通じなくなった背景には大きく2つの要素があります。

一つはこれらを構成する分母の人口や事業所そのものが激しく減少している、ということが挙げられます。特に、事業所の減少はそのまま事業主の減少につながるため、経営者がメンバーの中心になっているこれらの組織そのものの力がなくなってきたのです。

もう一つの原因は、そのスピード感です。

まず「ムラ社会」を構築してからおもむろにビジネスの世界に入っていく、というのでは、時間がかかりすぎます。現代は判断も決断も瞬時に行ない、きちんとした契約やルールに則って仕事を進める、というスピード感が無ければ、特に外資系の企業などには太刀打ちできません。

ただこれは、別に不思議でもなんでもない話であり、そもそもこういったやり方の方がビジネスとしてはスタンダードなスタイルなのです。特殊かつ恵まれた「地縁血縁義理人情顔パスモデル」という、極めてレアなモデルに依拠してきた日本の経済事情の方が普通ではなかったのです。

さて、「ムラ社会」或いは「地縁血縁義理人情顔パスモデル」という、特殊なビジネス環境から脱して、己のビジネスをしっかりと完遂させていくにはどうしたらいいでしょうか。その解答はシンプルです。

それは、こちらの商材なりサービスを受け入れてくれる新たな顧客を開拓していく、ということに尽きます。

そしてその顧客は、「ムラ社会」或いは「地縁血縁社会」の外にいる未知の顧客、ということになります。ここを積極果敢に開拓していかなければ明日はありません。・・・・と、解答はシンプルで簡単なのですが、難しいのはそれをどう実践するか、ということになります。

おそらく、これまで述べてきたようなことは、既にわかっていたとしても、その実践となれば戸惑い尻込みしてしまうのではないでしょうか。特に、未知の顧客に「営業」を直接かけるとなれば、そのハードルは相当高いものになります。また、広告宣伝といった販売促進策もこれまで取り組んだことがないために、そのノウハウについて見当もつかず、戸惑ってしまうのではないでしょうか。

さてそこで、私の専門分野の紹介になるのですが、「ムラ社会」を脱して、外の社会に門戸を開き、未知の顧客に対してこちらの存在をアピールし得る唯一の方法が「情報発信(アウトプット)」なのです。すぐできて、費用もそれほど掛からず、自らの責任でその内容をコントロールできる唯一の方法が「情報発信(アウトプット)」ということになります。

「ムラ社会」からの脱皮、「地縁血縁義理人情顔パスモデル」の棄却、新しい顧客の発見、アプローチ、取引を成立させるための交渉、といった一連のビジネスの流れを、自らの事業の中に構築するためには、まず社長の決断が必要です。企業が組織的に行なう場合、根回し、教育といった内部的な取り組みも必要になります。

ただ、新たな顧客を取り込むための準備である「情報発信(アウトプット)」は、その前から進めておくべきです。それは社長一人でできることですので、誰かを巻き込むという面倒もありません。それが「情報発信(アウトプット)」の特徴でありメリットなのですから、これをやらない手はありません。

まずは、これまでのビジネスに対する意識をチェンジすることが重要ですが、そこの決断がついたならば、社長が自分一人でも始められる「情報発信(アウトプット)」にはすぐ手を付けるべきです。また、それを進めることで、社長の意識そのものも現代的なビジネス感覚へと変化してきます。とにかく、実践しかないのですから、まずはブログなり、ツイッターなり、インスタグラムなり「情報発信(アウトプット)」を何か始めてみてください。

そうすることで、ムラ社会からの脱出が可能となり、新しい展望が見えてくるはずです。