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連載コラム MCコラム第241話 社長、どれだけ自分の「言葉」を持っていますか?!?―言葉を操る力、「言語化能力」が必要な時代―  

 

私は、経営者が人前で言葉を発する機会は大きく分けて、次の2つのパターンがあると思っています。

一つは、その社会的ポジションに応じて発言しなければならないとき、もう一つは、ご自分の専門性やビジネスそのものを伝えなければならないとき、の2つです。

もちろん、これ以外にも発言の場面というのはいくらでもあるのですが、不特定多数の対象に対して言葉を発するというケースは、上記の2パターンが代表的なものではないでしょうか。とはいえ、上記の書き方では、いまひとつ抽象的でよくわからないかも知れません。これはそれぞれ、どういうことでしょうか?

 

まず、「経営者が社会的ポジションに応じて発言しなければならないとき・・・」というのは、例えば商工会の理事職とか法人会の役職、大学OB会の役員などの立場とか、或いはライオンズクラブとかロータリークラブとかで、会員やその他大勢の前で挨拶などをしなければならないときのことを指します。

こういう半ば公的な場で発言する場合、立場上その場に相応しいテーマで、少しは気の利いた内容のことを話さなければなりません。言葉を駆使する力、「言語化能力」が必要な場面です。

 

一方、「自分の専門性やビジネスそのものを伝えなければならないとき・・・」というのは、まさに私が常々お伝えしている「情報発信(アウトプット)」を行なう際のことを指します。

ここにおいても「言葉」というのは大事であり、ご自分の専門性やビジネスというものをいかに的確に言語化するか、相手に伝わるように言い換えることができるか、という技術が大切になります。

 

「言語化能力」の代表としてこの2つを取り上げたのは、言うまでもないことですが、後者(「情報発信(アウトプット)」を行なう際)の重要性を言いたかったからにほかなりません。2つを比較することで、後者における「言語化能力」の重要性を、より鮮明に理解して欲しかったからです。

 

おそらく「社会的ポジションに応じて・・」の場合、例えば「世界経済はまことに危機的状況にあり、我が日本においても・・・」といったフレーズで始まることが多いのではないでしょうか。「それなりの発言をしなければ・・」という思いが上滑りをしてカッコをつけてしまい、つい大きめのテーマから入って、話がやたら長くなってしまう、といった会長さんや理事さんといった人たちを、私はこれまで多く見てきました。もちろんそれなりに上手なスピーチをなさる方もいらっしゃいますが、どちらかといえばこういった場面での挨拶というのは、やや総花的で退屈なケースが多いものです。

 

せっかく、「言葉を操る力・・言語化能力」の高いスキルを得たいのであれば、上記の中の後者「自分の専門性やビジネスそのものを伝えなければならないとき・・・」に、その力量が発揮できるよう持っていきたいものです。

この「言語化能力」のスキルが必要な代表的なケースというのは、一つにはこのコラムやブログのように「書いたもの」で自身をアピールしなければならないときになります。

もう一つは、顧客或いは顧客候補を前にして行なう「プレゼンテーション」ということになります。この場合は「しゃべる言葉」で、相手の共感を得なければなりません。

 

上記の両者はいずれも「言葉」を駆使する点で共通しています。私は、上記の両者(書かれた言葉としゃべる言葉を使う機会)とも、経営者ご自身に実践してもらいたい、と考えていますので、これらに必要な「言葉」についてかなり自在に駆使できるようになっていただきたいのです。

 

冒頭に申し上げた、社会的ポジションに応じてしかるべき時や場所で行なわれる挨拶、という場面は昔からあったものです。何も現代特有の現象というわけではありません。

しかし、ブログやコラム、プレゼンといった「言葉」で何かを伝える「場」というのは、極めて現代的なものです。

昔はこういった技術(インターネットなど)や手法(SNSなど)というものが世の中に存在していませんでした。したがって、ここで必要とされる「言語化能力」という資質について問われることはなかったのです。

 

しかし、時代は完全に変わりました。率直なところを正直に申し上げれば、冒頭の「社会的ポジションに応じて要求される気の利いた挨拶」など、私にしてみればどうでもいいのです。

それよりは、パーソナルメディアとしての「情報発信(アウトプット)」の際に「言語化能力」が大いに発揮できるスキルを是非身につけていただきたいのです。

これは、現代ビジネスにおいては必須事項といえるものだからです。

 

社会的ポジションに応じてなされる挨拶では、ある程度の格調や形式といったものが要求されます。これに対して、「情報発信(アウトプット)」において必要とされる「言語化能力」にはまた別の要素が求められます。

この必要な要素というのはいろいろと考えられますが、端的には「専門性」と「わかりやすさ」ということになります。

社長の「情報発信(アウトプット)」には、当たり前のことですが「専門性」を外すことはできません。

ご自分のビジネスにおける「専門領域」について語られるのでなければ、社長が「情報発信(アウトプット)」する意味がないからです。

 

ただし、その「専門性」は、それを見たり聞いたりする人にとって「わかりやすい」ものでなければなりません。

というのは、「専門性」は深く入り込めば入り込むほど、素人からは遠い世界になるからです。「専門領域」について、社長が専門用語で滔々と語れば語るほど、それを聞いたり読んだりする人にとってはさっぱりわからない世界になってしまうでしょう。

したがって、専門的でありながら、それがわかりやすく伝えられている必要があるのです。

 

このように、「言葉で伝える」といっても、やや制約はありますが、社長にとって自分のビジネスであり、専門分野です。

これを「言葉」に変える能力を是非とも身につけて「情報発信(アウトプット)」に繋げていただきたいと思います。

これだけのネット環境や各種媒体がそろったビジネス環境下での現代経営においては、この「言語化能力」は必須のものです。

「言葉を操る力」というものにもっと注力し、ご自分のビジネスをご自分の力で、現代ビジネス社会において「際立った存在」に仕立て上げていただきたいと思います。