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連載コラム MCコラム第265話 百の理論より一回の実践の方が勝っている理由―口説いてみればわかるその結果―  

同窓会などで、何十年ぶりかに同級生に会うと、それぞれがそれぞれの道を歩んできたことがわかります。そんな中で、「あいつ、昔は結構勉強とかできていたし、優等生で先生の受けなども良かったけど、大人になってみるとなんだかパッとしないなあ・・」といった人もいれば、「あの頃は、きかん坊でしょっちゅう先生に怒られていたけど、今は会社を経営したりと羽振りがいいようだな。」という人もいます。

 

まあ、こんな現象はよくある話で珍しくもありません。こういった違いはどこからくるのでしょうか。

いろいろな要素が考えられるのでしょうが、今回は実践力或いは実行力というキーワードで考えてみましょう。

 

学生時代、勉強ができるというのは、単純に試験の点数がいい、という極めて明快な尺度で決まります。

そのほかの基準で判定されることはありません。日本の場合、クラス全員に小説を書かせて、そのオリジナリティーの面白さで判定するなどという試みはしていないはずですから、シンプルにテストの点数で決まるわけです。

 

私は中学受験で進学校に進みましたが、ここではそれがもっと際立っていて、勉強のできない人間はその存在価値さえ疑われることになります。人並み以上に勉強をする、ということを前提に入学するわけですから、そうなるのです。ちゃんと頑張ればよかったものの、私のようにその肝心の勉強をサボってしまうと、必然的にはじき出されるという悲劇的な結果になります。

 

まあ、私の話はいいとして、学校という枠を卒業して社会人になったあと、上記のように、別の形で「差」がついていくのは、どういう要因によるのでしょうか。学生時代との違いはどこにあるのでしょうか。

 

私は、それは一にも二にも「実践力」によるのではないか、と思っています。

頭のいい人間はとかく理屈で考えます。「こうしたらどうなるだろうか?こうした方がいいのではないか?いや、こうすればリスクが高いかも知れない。こっちの方法も考えられる・・・」等々、頭の中で理屈をこねくり回して、なかなか実践に至りません。それどころか「もういっぺん戻って、文献を調べ直してみよう。」なんて結論に至るかも知れません。

 

そもそも、学生時代の学習要領と社会人になってからの学習要領とでは、その内容がまるで違います。それに対する取り組み方も、根本的に異なるために、学生時代のやり方を持ち込んでもあまり効果がないのです。その違いについて極端な言い方をすればこうなります。

『学生はペーパーの上に印刷されている知識をひたすら記憶すれば良い点が取れる。一方、社会人は対人間の関係性の中でどうすれば仕事上の目的が達成できるのか、常に工夫することが求められる。』

ということではないでしょうか。

 

つまり、学生時代はペーパーの上という2次元の世界が主戦場だったのに対して、社会人になってからは対人関係という血の通った3次元の世界で戦わなければ済まないことになります。

どちらがより難しく高度な世界であるかはいうまでもありません。しかも、この戦いの場は、ただ物事を記憶したり、考えているばかりでは通用しないのです。なんといっても、常に実践が伴なっていなければ結果を出すことはできません。

 

社会人になったならば、この「仕事上の成果」というものが必ず求められるのです。

なおかつ「仕事上の成果」は自分ひとりで独占するものではなく、会社などの組織単位で共有されるのです。

その点が、自らの努力だけで点数を稼いでいればよかった学生時代と大きく異なる点なのです。したがって、いくら知識や理論が備わっていても「実践力」がなければ、成果につながることは決してありません。社会に出てから、学生時代勉強ができた、というだけで通用しなくなるのは、こういう原因によるのです。

 

さて、今回のテーマを冒頭の同窓会の話に戻しますと、優等生だった奴が案外冴えなくて、劣等生の暴れん坊が意外に出世していたという現実は、ここからくるものと考えられます。つまり、劣等生だった彼はひたすら「実践」を重ねていった、ということになります。もちろん、がむしゃらにそうすれば成功するというものではなく、リーダーシップであったり直観的な経営センスであったりといろいろな要素はあるとは思いますが、とにかく、ひたすら実践を重ねた結果といえるでしょう。そういう意味では100冊の本を読むより、1回の実践の方が中身の濃い学習になるということになります。

 

ここでちょっと不謹慎なのですが、私は男性なので、男性の立場としての例え話をしたいと思います。ようやく、タイトルである「口説いてみればわかる、百の理論より一回の実践の方が勝っている理由」について語ることになります。

 

例えば、お目当ての女性がいて、何とか彼女にアプローチをしたいと思っているとします。こちらがよほどのイケメンか有利な条件でもなければ、向こうから自然に振り向いてくれることは期待できません。とはいえ、告白するにしても失敗したくありません。

 

そんな時、「告白に失敗しない方法」といったたぐいの書籍が世の中に多く出版されていることを思いだします。実際、そんなノウハウ本を買って読む人もいることでしょう。

しかし、そんな本を100冊読んだところで、おそらく、何の足しにもならないどころか、却って失敗の可能性が高くなるのではないでしょうか。

この手のことについては、いくら理論を積んだとしても、うまくいく保証はないのです。ここはもう、当たって砕けるしかありません。

というのは、そういった「実践」が伴なわない限り永遠にチャンスなどありえないからです。

 

ある女性の「恋愛評論家(?)」が言っておられたのは、「いざというとき、ビビらないためには、普段から、めげずに女性に声をかける訓練をしておくことだ。」ということでした。

まさに、理論より実践の好事例といえましょう。

 

私がかねてより推奨している「情報発信(アウトプット)」は、自分をアピールするという点において、この事例に対する格好のプレ訓練にもなります。もともと両者には相通じるものがあるのです。

 

今回は、いささか不謹慎な事例になってしまいましたが、社会に出て結果を出す、ということは、まずは「実践」からしか生まれない、ということを肝に銘じて、仕事に取り組んでいきましょう。