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連載コラム MCコラム第229話 極めてコスパに優れた社長の「情報発信(アウトプット)」―「費用対効果」に代わるコンセプトとしての「苦労対効果」―

 

私たちは、たまたま「費用対効果」に優れた商材やサービスに出会ったとき「コストパフォーマンスが良かった。」「コスパ最高!」などと表現します。

この基本にある価値観は「損得」であり、費用がかからなかった割には、つまり「安かった」割には、提供された商品やサービスが、想定していた以上に優れていた場合に使う言葉、ということになります。

 

さて、こういった感想も個人的な日常生活の中での、「ちょっと得した感」くらいであれば、他愛のない話で済むことです。

しかし、これがビジネス上の「必要経費とその効果」といったレベルの話になれば、特に経営者の場合、このことにもう少し真剣に向き合わなければなりません。

つまり、経営上効果の薄いもの、或いは一向に効果の上がらないものに対して、いつまでも会社の大事な経費をかけていられないからです。

 

ところで、その企業経営を進めていく中で、効果の測定の難しいものに「広告宣伝費」があります。

高い費用をかけて広告宣伝を打ったものの、それが果たして売上にどれだけ貢献したものか、それを正確に測定するのはかなり難しい話になるのです。

 

とはいえ、厳しい競争原理の働く現代ビジネス社会において、「広告宣伝費」を全くかけないというのは、自らの存在そのものを世の中に示していないのと同義語になります。

そんな姿勢では、これからのビジネス社会で生き残っていくことは難しいといえましょう。

それでも、中小企業、特に地方のそれにおいて、重要な販売促進戦略の一つである広告宣伝への取り組みが今一つ不調だったのは、先述のように、その高額な費用にも原因があったのではないでしょうか。

 

この高額な費用をかけずに、広告宣伝戦略を構築するのは、私の事業も含めた地方における中小企業の大きな課題だったといえます。

私は試行錯誤の末、広告宣伝に代わる代替案として「情報発信(アウトプット)」という手法にたどり着きました。

そして、その手法を駆使することで、過疎化が進み人口半減の地方において、売上2倍という実績を達成することができたのです。

先述の「広告効果の測定」という課題に対して、すべてそのおかげとは言いませんが、この「売上2倍」という数字が、一つの解答を示しているのではないでしょうか。

 

ところで、この「情報発信(アウトプット)」の特徴として、その効果の高さもさることながら、「広告宣伝に比べて費用が圧倒的にかからない。」という点があげられます。

これは当然のことで、広告宣伝の場合、その制作においては広告代理店、媒体使用においては放送局、新聞社などのメディアといった専門性を持った他者の力を借りなければならず、その他者への報酬がもともとかなり高額だったのです。

 

しかし、近年インターネットを通じたパーソナルメディアとしての「情報発信(アウトプット)」が可能となり、事業者自らが工夫をすれば、高額な広告宣伝に代わる効果を上げることができるようになったのです。

これは極めて大きな変革であり、事業活動のあり方そのものを変えるほどのインパクトがあるのですが、そのことを明確に意識している経営者はまだ少ないといえましょう。

 

さて、いろいろな意味で「費用対効果」いわゆるコストパフォーマンスが極めて高いといえる「情報発信(アウトプット)」なのですが、これを企業戦略的に採用している経営者はまだかなり少数派ということになります。いったい何故なのでしょう。

それはおそらく「費用対効果」ではなく「苦労対効果」が悪すぎる、いや「悪すぎる」というより「辛すぎる」といった方がいいのかも知れません。

それはひとえに、「取り組むためのハードルが高すぎる。」という印象があるからなのではないでしょうか。

 

つまり、「情報発信(アウトプット)戦略」というのは、広告宣伝のようにそれを専門とするプロに丸投げする、というわけにはいきません。

あくまでも「自分でやる」というのが原則であり、またそこに価値があるからです。

ここにおいては「費用対効果」という課題を考えなくていい代わりに、「苦労対効果」という新たな課題が出てくることになります。

実は、ここではあまり「苦労」という言葉は使いたくありませんでした。ほかに「労力」とか「エネルギー投入量」とかいう言葉も考えたのですが、いずれもそれほど適切とは思えなかったので、あえてちょっとネガティブな「苦労」という言葉にしたのです。

 

ただここで重要なのは、「人任せにせず経営者自らが取り組む」ということの意味です。

広告宣伝にはかなりテクニカルな部分があり、そのテクニックの巧拙が結果を大きく左右することが経験的に証明されています。しかも、そのテクニックのノウハウは、ほとんどの場合、プロである広告代理店やマスメディアに握られているのです。

 

一方、「情報発信(アウトプット)」の場合は、主導権はこちら側にあり、率直な意見表明といったものをいかようにも行なうことができます。

その表明の仕方を間違わず、発信方法が適切なものであれば、主導権がなく多額の費用を要する広告宣伝に匹敵する効果を上げることが可能なのです。

 

とはいえ、先述の「苦労」する、つまりは「自分でマメに情報発信するなんて、大変な思いをさせられるのではないか」という危惧が払拭されたわけではありません。

ただここにおいても、技術的な側面で解決する方法はあります。

つまり、手順を踏んで「情報発信(アウトプット)」の準備を行ない、体制を整えて定期的に発信できるように備えておけば、それほど高いハードルとはなりません。

もちろん、ほぼ「書く」という作業がついて回りますので全く「苦労」をしなくて済む、というわけにはいきませんが、その戦略的な効果を考えたとき、経営者がこれに取り組まないという選択肢はあり得ない、と私は思います。

 

中小企業、特に地方のそれにおいては、自社を売り込む、アピールするという点において、極めて遅れた状況にあり、またそういった発想も貧困なものでした。それは、広告宣伝における「費用対効果」が読めなかったことと、この分野への理解が薄かった点が原因としてあげられます。この状況に対する有効な対応手段として「情報発信(アウトプット)」を戦略的に推し進めることを提案するものです。

この際、これまでの「費用対効果」という判断基準から「苦労対効果」という基準への意識の切り替えを行なってみたらどうか、というのが今回の主旨ということになります。

 

「情報発信(アウトプット)」に関しては、そのノウハウを体系的に提供するというバックアップ体制もとれますので、多少の「苦労」はともないますが、極めて効果の高いこの分野にチャレンジされることをお勧めします。