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連載コラム MCコラム第69話 存続を可能にする社長の決断―衰退を免れた企業に共通して見えてくること―  

 

 

コンサルティングの仕事を通じて、長年地方の街をウォッチングしていますが、その衰退ぶりは目を覆うばかりです。シャッター通りと言われる商店街、空き地の目立つ中心部、人気のない表通り、いずれを見ていても、もはや商業集積としての体を成していません。

そうなった原因については様々言われていますが、今回は逆の視点からこの問題を考えてみたいと思います。

 

数十件、或いは数百件あった商店街の中から奇跡的に生き残り、中には昔より事業を発展させている企業もあります。(ほとんどの場合こういった商店は法人成していますので、「企業」と呼ぶことにします。) 

この、何十分の一の確率で生き残った企業に共通する「条件」は何だろうか、と分析してみました。もちろんその「条件」はそれほどシンプルなものではなく、実に様々な要素が絡み合っており簡単に解明できるものではありません。しかしながら、いくつかの共通点を指摘することができます。

 

それは、大きく言えば次の3点です。

・時代に合わせて提供する商材(あるいはサービス)を変えてきている。

・自らの商圏(マーケティングエリア)を広げている。

・上記に合わせて情報発信を怠りなく行なっている。

 

言うまでもなく、企業が成長発展するための条件は他にもいろいろあり、それらが複雑に絡み合ってのことなのですが、基本的なところで指摘されるのは上記の3点なのです。

 

「なんだ!どれも当たり前のことじゃないか。」と思われることでしょう。そうなのです。たったこれだけの当たり前のことができなかったのが、地方の商業衰退の原因なのです。

 

一つずつ見ていきましょう。

・時代に合わせて提供する商材(あるいはサービス)を変えてきている。

これは最も基本的なことなのですが、案外皆さん取り組んでいませんでした。

というのは、かつては何でも売れていた時代がありました。モノ不足の時代です。この頃は、少ない物資に人々が殺到し、利幅をそこそこ取っても喜んで買ってくれたのです。

またその後は、「流通元(メーカーや問屋)の提供するものを売っていればそれで済んだ。」という時代が長過ぎたために、自ら商品について考えたり開発するという習慣がなくなりました。つまり、こちら側がこちら側の都合であらかじめ準備したものを取り扱っていれば済んだ時代(これを「プロダクトアウト」といいますが・・)もまたかなり長かったのです。

今はこれが完全に逆になりました。消費者の求めるものを提供しなければ支持していただけない時代になったのです。これは何も個別に一々対応するということではなく、時代の求める商材の傾向、流行といったものを見ていかなければマーケットに支持してもらえませんよ、と言った意味なのです。これをマーケットインといいます。

 

次に

・自らの商圏(マーケティングエリア)を広げている。

という点です。これはあまりにも当たり前のことで、昔と同じ商圏内に住む人の数が極端に減少してきた今、その商圏の範囲内で商売を続けることは当然ながら難しくなります。自社の商品を購入してくれる消費者の層を厚くするか、広く商圏を設定し直して顧客の絶対数を増やすかといった踏み込んだ策を採らざるを得ないのです。

成功している事業では、エリアを広げて新規顧客を開拓する、郊外型の店舗に移動してこれまでよりは広い商圏から集客をする、などの打ち手を展開することで、それまでの「町なか商店」からの脱却を図っているのです。当然、広がった分自社と関連するマーケットの濃さは薄まっていきます。その「薄まり」を補完するのが次の策になるのです。

 

最後に

・上記に合わせて情報発信を怠りなく行なっている。

この「上記に合わせて・・・」というのは、商品を新しくしたとしても、エリアをこれまでより広く取るようにしたとしても、当初、そのことを知る人はほとんどいません。つまり「変化した」という事実は確実に伝達しなければ効果を生まないのです。こんなことはごくごく当たり前のことなのですが、ここまで怠りなくカバーしている事業者は極めて少ないと言えましょう。

私が、繰り返しこのコラムを通じてお伝えしているのは、この「伝達」の重要性です。つまり、これまでより新しくなった現状というのは、情報発信というプロセスを経ないと誰も知るところとならないのです。この当然のプロセスが、実に多くの企業で省略されています。地方の場合特にその傾向が強いのです。

省略することができない情報発信。

これを、コストをできるだけかけないで、効果的なものにするために、私が研究を重ねてきたのが「経営者自身による情報発信の様々なノウハウ」です。

引き続き、このコラムでその内容については触れていきますので、お付き合いいただければ幸いです。