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連載コラム MCコラム第138話 地方メディアの「情報発信効果」を利用する―地域特性を活かして自社をアピール―

 

先日、私のオフィスに来られたクライアントさんの言葉です。

「いやあ、先生に教えていただいた通り地方メディアを、新規事業の出だしに大いに利用させてもらいました。あのレクチャーがなかったらメディアに声をかけるという発想は、私にはありませんでしたから、今回はすごい宣伝になってよかったです。ありがとうございました。」

と、大変喜んでおられたのです。

 

守秘義務がありますのであまり詳しくは書けませんが、このクライアントさんは、近年、都会の方から私のオフィスのある地方の企業を買収して経営を始められた方です。ただ、既存のその事業だけでは将来への大きな展望が開けない、と先を見越しておられたようで、今回、新規の事業部門を発足されたのです。

 

ただ、この地方ではまだ土地勘も人脈もない社長さんは、その新しい事業について、どうやって地元にアピールしたものか悩んでおられました。そんなとき、たまたま私のセミナーを受けられて「これだ!」と思われたのです。

 

この社長さんは、それまで都会の方で事業を営んでおられたために、地方のメディア事情についてはほとんどご存じありませんでした。

私のセミナーで「情報発信」の重要性と、地方メディア利用の意外に低いハードルについて学習されたので、それを早速新規事業部門の発足に際して応用されたのです。

 

この新規事業部門については、地元への影響も大きいために、市長をはじめ地元の関係者に広くお知らせした上で、地元メディアにも声をかけられました。その結果、「地元の名士+マスコミ」という組み合わせが功を奏したのか、新規事業発足式には多くの関係者が集まることになったのです。地元メディアもNHKをはじめ、地方の放送局数社など取材に訪れ、私も参加させてもらいましたが結構大がかりなイベントになりました。

 

翌日、わざわざ菓子折りなどもって私のオフィスに来られた社長さんは

「いやあ、ありがとうございました。おかげさまですごい金額の広告宣伝費に匹敵する分がタダでアピールできました。先生に地方メディアについてのヒントをもらっていなければ、考えつきもしなかったと思います。」

と、大変感謝していただいたので、こちらも恐縮したのですが、これなどはまさに「情報発信」の大きな成功事例といえるでしょう。

 

私がお勧めする「情報発信」は、アナログとデジタルをミックスした多重的多層的なものです。「デジタル」とは言うまでもなく、SNSなど自ら発信できるデジタル媒体のことですが、ここで「アナログ」と称しているのは、地方新聞、地方テレビ局、地域FMなど既存地方メディアのことを指しています。

 

この地方メディアについては、自らの意思でいかようにでも発信できるデジタル媒体と違い、相手のあることになります。地方メディアをこちら側の意図する「情報発信」に乗せるためにはいくつかの条件があるのです。

その代表的なものが「ニュース性(話題性)」と「公共性」の二つになります。

この条件がクリアされていなければ、地方メディアに限らず、メディアそのものが乗ってきません。

 

今回の発足式セレモニーは、その条件のいずれもクリアしていたので、メディア各社が取材に来たのです。とはいえ、いずれにしろこちらから事前にお知らせするという努力はもちろん必要で、そのためのアクションは自ら起こさなければなりません。

 

「地方メディアは常に話題を探していて、取材してもらうハードルは意外に低い、と先生に聞いていなければ、行動を起こさなかったと思いますので、今回は本当に助かりました。」

といわれて、私もうれしかったのですが、なんといっても社長の直観力と行動力と賜物だったと高く評価しています。

 

地方メディアに取材される条件は「ニュース性」と「公共性」と書きました。もちろんこれらの条件が大切なのですが、どこまでがそう(「ニュース性」と「公共性」があると)言えるのかは判断の難しいところです。したがって、そういった印象を与えるためには、多少のテクニックが必要なことも事実なのです。

 

私は、会計事務所のトップとしても仕事を展開しておりますので、例えば事務所で、クライアントさん向けに「消費税改正が経営や資金繰りに与える影響」というタイトルのセミナーを開催するとします。ただそれだけでは、おそらくメディア取材の対象とはならないでしょう。しかし、これを「消費税改正が地元企業の経営や地域経済に与える衝撃!」と、タイトルを少し広めに変えて、クライアントさんに限らず地元企業全般にインフォメーションすれば、取材される可能性はかなり高まります。もちろん、これで提供するセミナーの内容が特に変わるわけではありません。

 

このように、マスメディアに対しては、彼らを乗せるために多少のテクニックについては心得ているべきとは思います。そしてなんといっても、最初の取材を受けるのは彼らとの付き合いの第1歩です。イベントの取材などは、1回きりのスポットになりますが、これをきっかけに、事業がその後何か大きな節目などを迎えるときなど、また声をかければ取材を受ける可能性が広がるのです。

 

「情報発信」を続けることで、地域に認知され、同業他社との差別化を図るためには、こういった継続性や粘り強さが大事なのは言うまでもありません。

「情報発信」について、こういった認識を持っている地方企業はまだかなり少数派なので、積極的に仕掛ければ仕掛けるほどチャンスは広がります。

 

その後、件(くだん)の社長さんは、私がレギュラーを務めているラジオ番組にも出演することが決まりました。私が出張のために生放送に出演することができなくなったからです。ピンチヒッターをお願いしたら、快く引き受けていただきました。今回の新規事業についてアピールされるとのことでした。これなどは「情報発信」の多層的な展開の典型的な事例といえます。

 

このように「情報発信」は、それを普段から心掛けていれば広くアピールするチャンスは比較的転がっているものです。逆に、そこに意識がなければ仮にチャンスがあったとしても、みすみすそれを見逃すことになりかねません。

 

「情報発信」でつかんだチャンスを広告宣伝費に換算すれば、それは結構莫大な金額になります。普段から何をどう意識し、どんな活動していればいいのか、という点についてはそれなりのコツや方法論があります。その内容についてお教えするのが私の役割ですので、今回の社長のように私のセミナーやコンサルティングを聞いていただければ、と思う次第です。