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連載コラム MCコラム第30話 伝えなければ伝わらないこちらの世界―「当たり前」の盲点をあえて切り拓く―  Ⅰ

 

 

私は、地元FM放送にビジネス番組のコーナーを担当してもう5年になります。

月に1回30分ほど、番組担当のパーソナリティーの女性と、その日私が考えてきたテーマについてお話をします。5年ということは、かれこれもう50回以上出演したことになります。テーマについては、その都度それなりに考えて提供しています。放送を録音したアーカイブのCDは私の財産でもあります。

昨年末より、ご縁をいただいてお隣の市の地域FMにも出演するようになりました。こちらは不定期で、2,3ヶ月に一度の出演ですが、1回が2時間の長丁場なのでいろいろなことをお伝えできます。テーマを特に決めるということはなく、パーソナリティーの方との掛け合いでおしゃべりします。

「よくそんなにテーマを思いつくね。」とか「2時間も何しゃべるの?」とか驚かれますが、これは「慣れ」というより「姿勢」があればなんとかなるものです。「姿勢」というのは「(情報発信に)向き合う姿勢」といった意味ですが、これについては、また機会を設けて書いてみたいと思います。

今回お伝えしたいのは、パーソナリティー(どちらのFM放送局も女性)との掛け合いを通じて私が感じたことです。

それは、結論から言えば「こちらが想像していた以上に、他人はこちらのことを知らないんだな。」ということです。

今まで何人もの女性パーソナリティーと、こうやって仕事上の接点を持ちました。彼女たちは、いずれも非常に頭の回転の速い方たちです。ま、ラジオのパーソナリティーを担当するくらいですから、当たり前といえば当たり前なのですが、その賢いはずの彼女たちが、意外にこちらの世界のことを知りませんでした。

 

私は、中小企業の経営支援ということを、普段の生業(なりわい)としている関係で、どうしてもそういった話題が多くなります。コンサルティングについて、その専門性をあまり深く掘り下げた話をしますと、素人には分かりにくい世界になってしまいます。

一般の人たちが大勢聞いているラジオで、あまり難しい話をしても仕方がないので、こちらの専門性について、その入口の辺りをできるだけ分かり易くお話するように心掛けています。

ところが、この分かり易さのハードルをかなり下げたと思っていても、ときどき話の内容がパーソナリティーの彼女たちに通じないことがあります。

私の中では、これは業界内の人たちだけにしか分からない専門性の高いレベル、これは一般的にもある程度知られている普通のレベル、と分けて、比較的丁寧にお話しているつもりです。

そんな風にかなり注意してお話していても、「へー、そうなんですか!?」と、初めて聞くような顔をされることが多いのです。

ここで私が、なにが言いたいかというと、「人は、頭が良くて、そこそこ世間のことをわかっているような立場の人でも、こちらの世界は案外知らない。」ということなのです。

毎日、様々なタイプのゲストと接して、普通の人たちよりも幅広くいろいろなことをわかっているはずの彼女たちでも、少し専門性に立ち入った話になると意外にその中身を知りません。これは私の専門分野に限ったことではないだろうと思います。

それでは一般の人たちは、こちら側のことを「何故そんなに知らない」のでしょうか。また、こちら側の「何を知らない」のでしょうか。