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連載コラム MCコラム第41話 企業の持つ「隠れ資産」について考える  ―これこそがアピールすべき宝物―Ⅰ

 

 

我々は企業の業績についてしばしば「決算書」で判断します。

「決算書」はいわばその企業の成績表であり、業績の良し悪しを如実に表しているのです。

「決算書」は、基本的に「貸借対照表」と「損益計算書」から構成されており、この二つを見ることで、その企業の業績や財務状態について様々な事実を把握することができます。

 

このうち「損益計算書」は、その企業の1年間の業績について現したものであり、いわゆる赤字か黒字か、そしてそれは金額的にいくらだったのかの最終結果はこれによって明らかにされます。経営者がその年の業績について把握するとき、ほとんどの場合この「損益計算書」をその判断の指標にします。

 

一方、「貸借対照表」は、企業がそれまで長年積み重ねてきたものを表現しており、1年間の結果だけを表すものではありません。企業が積み重ねてきたプラス面もマイナス面もすべてそこに表現されているために、現在の企業の財務状況が一目でわかるようになっています。

 

と、ここまでは、普通に企業会計について勉強してきた経営者であれば常識的な話ですので、わざわざ説明する必要もなかったかも知れません。

さて、ここからは少し変わったコンサルティングのお話になります。

ちょっと冷静に振り返っていただければわかると思うのですが、通常、企業業績を上げるためのコンサルティングというのは、上記の「損益計算書」における数字を伸ばすためのものがほとんどです。

 

営業コンサルティング、顧客獲得コンサルティング、ブランディングコンサルティング、新規商品開発コンサルティング、マーケティングコンサルティング、販売促進コンサルティング等々、すべて「損益計算書」における数字を伸ばすためのものです。

これは当たり前の話であり、高いコンサルティングフィーはそこに直結しなければ意味がありません。会社の数字を伸ばしてこそ、コンサルティングを採用する価値があるのです。

 

繰り返しになりますが、そういった「損益計算書」を良くするための努力の積み重ねの結果が「貸借対照表」であり、努力が報われていれば良い数字で示され、努力が足りないか何かの不運に見舞われたりすれば悪い数字で示されるのです。つまり「貸借対照表」は総合的な結果であり、いわば企業が獲得してきた様々なプラスの資産、マイナスの資産といったいわゆる「企業資産」を表現しているものなのです。

 

ところで、業績に直結している「損益計算書」はともかく、結果を表現しているに過ぎない「貸借対照表」を、企業の業績アップのために応用していこう、という発想は、これまであまり語られることはありませんでした。直接的な関連が、にわかには想像できなかったからです。

 

私は、この様々な「企業資産」を現している「貸借対照表」を、さらに掘り下げて考えることにより、やがて企業の業績アップに使えるのではないか、と考えたのです。

これが、少し変わったコンサルティングのお話をします、と述べた理由なのです。

 

つづく