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連載コラム MCコラム第264話 マスク美人、マスクイケメンから学んだ「情報発信戦略」の重要性 ―限定情報で過剰な期待を誘う―  

 

 

いま日本では、ほとんどの人がマスクをしています。たまに街でマスクをしていない人など見かけると「おっ!」と気になってしまうくらい、当たり前の光景になりました。まあ、私は「マスク警察」を自認する気はありませんので、そんな人を見かけたからといって、「なんだこいつ!」と不快になるわけではないのですが・・・今のところ、「おっ!」と驚くくらいで済んでいます。

 

ただ、マスクに関して「おっ!」では済まない事態が私の中で進行しているのです。で、これは私にとってなかなか看過できないことなのであります。

 

え!?なになに?!?それっていったいなんだ!

 

・・・・それは、街を歩いていて、やたら美人が増えたということであります。

街ですれ違うスラリと姿の良い女性など、そのほとんどが「おっ美人!」「おっ美人!」の連続、と言っても過言ではありません。「お前はいい年をして、いつもそんなことを考えながら歩いているのか?!」と、お叱りを受けそうですが、特に意識していなくても、現実がそうなのですから仕方がありません。

 

何故こんなことになったのだろう、と考えてみました。別に考えなくてもいいようなことなのでしょうが、考えてみたのであります。

 

先日こんなことがありました。会社に出入りしているある提携企業の男性担当者の若者がやってきたのですが、彼もご多分に漏れずマスクをしています。ミーティングルームに通して、我々はアクリル板の敷居越しに打ち合わせを始めました。

そこでよく見てみると、こいつなかなかのイケメンなのです。

 

ちなみに、眉目秀麗という言葉は、実は男性専用のホメ言葉であり、女性には使わないのが原則である、とついこのあいだ学習したばかりでした。彼はまさにそれに当てはまります。とはいえ、女性の訪問担当者が超絶美人だった場合とかとは違って、別にドキドキすることもなく打ち合わせは進みました。

 

すると、しばらくしてパートさんがお茶を運んできました。そのお茶は脇において、そのまま打ち合わせは進んだのですが、やがて、一段落して口も乾いたので、私はお茶を一口飲むことにしました。もちろん、目の前の彼にも飲むよう勧めました。彼の方は、プレゼンする側だったためか、しばらくは話に夢中になっていて、お茶を口にする余裕もなさそうでした。が、やがて私に勧められるままに茶碗に手を伸ばし、マスクを外しました。

 

と、そのときです! 彼のお顔の全容を見た私は軽い驚愕を覚えたのです。

『うっ、思っていたのと違う・・・』

 

私のイメージの中にあった、イケメン君の完璧な造作とはかなり異なる彼の現実の顔がそこにあったのです。

そうすると私は、何と表現していいか・・・えも言われぬ生理的な気持ちの悪さを感じたのであります。

あのー、例えば、コーラだと思って飲んだコップの液体が、実は醤油だった、みたいな・・・うーん、ちょっと違うかも知れませんが・・・・

今こうやって書いていても、あの彼には大変失礼なことを書いているということは承知しています。彼は100パーセント何も悪くありません。悪いのは勝手に気持ち悪くなった私の方であるのはいうまでもないことです。もちろん彼が、非常にブサイクな男だった、というわけではまったくありません。

ただ、私の想像と違っていた、というだけの話なのです。

 

しかしこのとき、私はマスクのもたらすプラスの効用というものを、イヤというほど実感したのです。

もし、街ですれ違うマスク美人と思しき女性たちが、次の瞬間全員振り返って、マスクを外したお顔を見せたならば・・・・これはもうほとんどホラーの世界といえましょう。(もちろん、現実にはそんなことは絶対に起こらないわけですが・・・)

 

つまり、こういうことなのです。世の中に顔の上半分と下半分のトータルバランスの取れた美形というのは実に少ない!ということです。

「美人」というのは、顔全体のバランスが整っていて初めて成立する概念なのです。

なおかつ、マスクの場合、逆というのはあり得ないことになります。顔の上半分を隠して、鼻から下だけ見せて歩いている人がいたら、それこそ本物のホラーといえましょう。

 

マスクというのは、顔の上半分、という絶妙の限定情報を世間に与えることで、実力以上の評価を獲得していることになるのです。

そのとき私は閃いたのです。

「ん!待てよ。これって結構重要な発見かも知れないぞ!」と。

 

さて、ここからが、今回得た教訓であります。まあ私が「いい教訓を得た!」とほざいているだけのことですから、大したことないといえば大したことないのかも知れませんが・・・・

 

ともかく、私はこう思ったのであります。

「情報は一気にすべてを晒すべきではない。うまく小出しにすることによって、相手に幻想を抱かせ、こちらに有利にことを運ぶための『狡猾なる手立て』として使うことができる。」と。

 

このことを証明する最も卑近な例が、エロチシズムであろうと思います。少年の頃、常にモヤモヤと頭の中を支配していた、女性の身体に対する過剰なる興味などまさにそれでありましょう。親に隠れてコソコソとエロ雑誌など観ていたわけであります。

 

とはいうものの、例えそんな風に観たいみたい、と思っていたとしても、何もかも開けっぴろげにガバッと見せられたのでは情緒もクソもありません。チラリチラリと見せそで見せないから、アホな少年たちは生唾ゴクリで強く惹かれていくのであります。

まあ、私の少年時代の話などどうでもよろしい。

「情報の小出し」というのは、私が「新発見!」と叫ぶまでもなく、戦略的には昔から使われていたのだろうと思います。

 

しかし、こちらにことを有利に運ばせるための「情報の小出し」というのは、そう簡単な話ではありません。例えば、営業をかけたりするとき、こっちがいかに相手にとってメリットがあるか、これでもかこれでもかというくらい、もち札の情報のありったけをぶっつけまくるというのは、未熟な営業マンなどにはよくあることだからです。

「戦略的な情報の小出し」というのは、それなりにスキルを必要とするのであります。

 

まあともかく、マスクによる「情報の小出し」には、結構威力があるということがわかりました。

考えてみれば、継続的な「情報発信(アウトプット)」というのは、自然にこのことを実践しているといえなくもありません。

今後も、この手法を戦略的に駆使して、自らの営業活動に活かしていこうと思っていますし、そのことをきちんと伝えていきたいとも思っているのであります。