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連載コラム MCコラム第271話 キャリアの価値を加速させるには―「情報発信(アウトプット)」で経験値の濃度を上げていく―

 

「キャリア」の意味を調べてみると「積み重ねた実地の経験」とあります。

つまり単なる「経験」を指すのではなく、その「積み重ね」を含めて一つの言葉となっているのです。したがって、経営者、というより、一人の人間としてキャリアを積んでいくことは、その人の人生にとって重要な意義を持つことになります。特に経営者ともなれば、どんなキャリアを積み重ねてきたかは、大きな意味を持つと言えましょう。

 

この「キャリア」という言葉を使う場合、どんな勉強をしてきたか、とかどんな資格を持っているか、とかを指すよりは、冒頭の意味にあるように、どんな「実地の経験」を積み重ねてきたかに軸足がかかっているように思えます。

実地の経験からどんなことを学び、どんなことを身につけてきたかが問われるわけです。シンプルに考えれば、キャリアを積んだ経営者ほど経験値としての智恵があり、いろいろな対処能力が高いのではないかと期待されることになります。したがって、我々は、先輩経営者に意見を求めたり、年長者の智恵に頼ったりするわけです。とはいえ、そうやって他者のキャリアに頼るだけでなく、自らも中身の濃いいいキャリアを積み重ねていく必要があります。

 

ところがここで、この「キャリア」について、三つの問題があることに気がつきます。

それは、一つは結構な年数キャリアを積み重ねてきたにもかかわらず、それがあまり身についているように見えない経営者が多い、ということです。

或いは、ある時間で止まってしまっている経営者も多く見られます。

 

それからもう一つは、世の中の変化が激しすぎて、キャリアを積み重ねていくといっても負担が大きいということです。

しかるべき対応ができていない経営者も多いのです。

 

最後の三つ目は、経営者は多忙で時間が限られているために、キャリアを有効な形で積み重ねている余裕がない、ということです。

多忙といっても、よく見れば従業員と同じルーチンの仕事に追われている経営者が多いのです。

 

もちろん、この三つは大きく関連していて、3番目の余裕がないということで有効なキャリアを積み重ねてこなかった経営者は、1番目の年数の割にはあまり学習をしてきたように思えない、といった結果になります。また2番目の変化が目まぐるしくて対応できなかった、という経営者も同じことです。

 

これら三つの問題は、経営者として有効なキャリアを積み重ねる必要があったにもかかわらず、重要な場面でそれに気付かずスルーしてしまったか、気付いていても適切な対処ができなかった、というように、経営者の姿勢によるものが多いのです。

 

いずれにしても、経営者として、その立場に相応しい経験値を積み重ねていかなければもったいない話ですし、その積み重ねがなければ自分が携わっている事業をさらに伸ばすこともできません。経営者の中には、同じようなルーチンの繰り返しに終始し、事業にとって必要な変化に対処しようとしない人も少なくないのです。世の中が変化しているということは、どっぷりとその世の中で展開している自分の事業も変化せざるを得ない、ということになります。その変化への対処経験を経験値として積み上げて、次の変化に備えていくのです。

 

そのためには、一回一回の変化に対処するたびに、その経験を効率よく身につけていく必要があります。

この「効率よく身につける」ということに関して、何か有効な手段はあるのでしょうか。

 

一つは「変化への対処」によってインプットされた経験を他人(ひと)に話す、ということです。

一度インプットした経験は、他人に話すというアウトプットを経ることで、頭の中でロジカルに整理され定着します。

 

しかし、さらに有効なのは、やはり「書く」という行為になります。

これによって、よりロジカルに頭の中を整理し、完全に我がものとして定着させるのです。しかし、ただ書きっぱなしだけではモチベーションが上がりませんので、やはり「書いたもの」をアウトプットしていく必要があります。

他人に読ませる、ということでより論理的に書くことを意識し、適切な表現や言葉使いにも気を配ることになるからです。

 

経営者というのは、一般のビジネスマンよりも様々な経験を積む機会が多く、また、より広範かつ俯瞰的に事業を見ていく必要に迫られています。

その経験を的確に身につけ、経営に活かしていくためには効率の良いキャリアの積み重ね方が要求されるのです。

せっかくの経験をスルーしてしまうのはもったいないし、時間の無駄でもあります。

 

そういった貴重な体験の一つ一つを効率よく身につけていくためにも、インプットしたものを必ず何らかの形でアウトプットしていくよう心掛けてください。

できれば「書く」という形で「情報発信(アウトプット)」できれば、最も効果的です。

 

また「情報発信(アウトプット)」には、そうやって自分の身につく、という効果だけでなく、そのものに販売促進効果及びイメージアップ効果も備わっています。

内なる効果だけでなく、外へ向かっても大きな効果を発揮するのです。

つまり、「情報発信(アウトプット)」というのは、一石二鳥というだけでなく、一石三鳥も四鳥も考えられるのです。

 

せっかく積み重ねていくご自分のキャリアというものを、だだ洩れや宝の持ち腐れにしないためにも、有効な「情報発信(アウトプット)」というものに前向きに取り組んでいただきたいと思っています。