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連載コラム MCコラム第215話 アフターコロナにおいて、リソースとアセットから情報発信の価値を考える―社長の持つ資源を情報発信で資産に変える―

海江田セミナー風景

 

近年ビジネス用語で「リソース」と「アセット」という言葉がよく使われます。

一般的にリソースは「資源」アセットは「資産」を指すとされ、ほぼそのように理解されているようです。

わざわざ横文字を使わなくても、日本語で「資源」や「資産」でいいじゃないか、という意見もあると思いますが、これらの用語には、もっと微妙なニュアンスも含んでおり、アフターコロナにおいても極めて需要なコンセプトを形成すると考えられるので、もう少し突っ込んだ考察を試みてみたいと思います。

「リソース」は、主にビジネス上では「経営リソース」と呼ばれており、事業を進める中で、企業価値を上げるためにどういった貢献ができるのかを計る基盤のようなものになります。

その中で、例えば従業員を「会社の資源」と捉え、「ヒューマンリソース」といった呼び方をする場合もあります。

「リソース」は、一般的に「何らかの企業価値を生み出すために使われ、消費されるもの」と捉えられています。

「リソース」が有効に使われ消費された結果、「アセット」である企業資産が生まれるということになるのです。

わかりやすくいえば、「ヒューマンリソース」である従業員を活用して高い企業価値を生み出した場合、その価値を生み出した人材である従業員は「ヒューマンアセット」になるわけです。

そのほか「アセット」の言葉の使い道としては、例えば「我が社のアセットは圧倒的な技術力である。」といった表現をします。この場合、「アセット」は我が社の強み或いは売り物といった解釈になります。つまり、「人材や立地を含めた不動産、機械設備といった「リソース」から価値を生み出すことそのもの」を「アセット」と捉えてもいいのではないでしょうか。

さて、こうやって見てきますと、企業にとってその「リソース」をきちんと把握し、どうやって高付加価値の「アセット」を生み出すか、といったアプローチについて深く考察することは必須事項とも言えます。私はこの考え方を、経営者の「情報発信(アウトプット)」にも応用してみてはどうだろう、と考えました。この点について少し整理してみたいと思います。

まず、社長が社内で行なっている日常業務、社外での交流、交際、学習、さらにプラスしてプライベートな時間に体験したこと、考えたこと、これらのすべてが「リソース」と呼べるのではないでしょうか。社長がもともと持っている専門性を通じて、日常の業務で体現することにはそれだけで独自性があります。さらに社外での交流、交際といったものは、通常、社員の立場では体験し得ないことでもあります。また、経営者の立場であれば、プライベートな時間においてもビジネスが頭から離れることはなく、様々な経験そのものをヒントとして捉えているのではないかと思います。

こういったすべてが、社長独自の「経営リソース」即ち「資源」として捉えることができるのではないでしょうか。

さてそれでは、こういった「リソース」をどうやって「アセット」に変換していくのか・・・私はその最も効果的な方法が「情報発信(アウトプット)」と考えます。社長の存在そのもの、また社長が体現するすべての事象が貴重な「リソース」と言えるのですが、これを意図的に「情報発信(アウトプット)」という手法を使って「アセット」に変換している人はまだ極めて少数派です。というのは、おそらく上記のような組み立てをロジカルに考え実践するという発想が成されていないからと考えられます。

先述した経営者独自の「リソース」というものは、そこで何も手を加えなければそのまま流れていくだけです。社長個人の中には多少蓄積されていくかも知れませんが、それでは共有化や標準化もなされず、再現性も全くありません。

何らかの手順を踏んで「アセット化」しなければ極めてもったいない話になるのです。

それを第3者にも理解できる形で「アセット化」する必要があるのです。

その唯一無二の方法が「情報発信(アウトプット)」と言えましょう。

「情報発信(アウトプット)」を習慣づければ、わざわざほかの手を使って、社長の「リソース」を「アセット化」する必要はありません。

「情報発信(アウトプット)」には、社長の「リソース」を「アセット化」するという効果以外にも、その行為そのものが評価されるというインセンティブがついてきます。

私が以前から述べていますように、経営者の「情報発信(アウトプット)」には必ず興味を示す人がいます。その専門性や俯瞰性に共感する人が間違いなく存在するからです。

つまり、経営者の行なう「情報発信(アウトプット)」には、それそのものが評価されるということと、独自の「アセット」が形成されるという一石二鳥の効果が期待できるのです。

経営者の「情報発信(アウトプット)」が「アセット化」されていけば、それはその企業の持つ強力な無形の2次資産として、様々な手法を駆使して使いまわすことが可能になります。

この極めて付加価値の高い無形の2次資産は、税の専門から言えば驚くことに全くの非課税なのですが、そのことに思いが至っている経営者はほとんどいません。

アフターコロナにおいて経営者は、自らの「リソース」と「アセット」に関する認識を明確にしていく必要があります。

そして「情報発信(アウトプット)」という触媒を通じて、その「リソース」を「アセット」に変換していくことで、自社全体の付加価値を引き上げていくという使命を全うしていかなければなりません。

「リソース」と「アセット」というビジネス用語から「情報発信(アウトプット)」の持つ重要な役割をあぶり出してみましたが、こういった言葉に関係なく経営者は、常に外に向かって何かを発信し続ける、という姿勢を貫いてもらいたいと思います。