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連載コラム MCコラム第211話 アフターコロナ、変わることが当たり前の時代の経営を考える―目の前に突きつけられているテーマに経営者はどう向き合うべきなのか―

 

地方において長年税理士及びコンサルタントという職業を続けてきて、これまで様々なタイプの経営者を見てきました。顧客である社長さんたちとお付き合いしながら、皆さんのことをずっと観察し、分析してきたのです。そんな中、その分析のテーマを「経営革新」という1点に絞った場合、次のように分類されるのではないかと思っています。

この分類は、前提として「経営者が、これまでの経営手法を相当変えていかなければならない状況に置かれている」つまり、現在の「アフターコロナ」のような状況にあるということです。

この状況に対して経営者は
1、変わらなければならないのだが、そのことにすら全く気が付いていない。
2、変わらなければならないことはわかっているのだが、どう変わっていいのかわからない。
3、変わらなければならないことはわかっているし、どう変わればいいかのアイディアもあるのだが、それをどう実行すればいいのかがわからない。
4、変わらなければならないことはわかっているし、どう変わればいいかのアイディアもあり、それをどう実行すればいいのかもなんとなくわかっているのだが実行に至っていない。
5、変わらなければならないことはわかっているし、どう変わればいいかのアイディアもあり、それをどう実行すればいいのかもわかっているので試行錯誤しながら実践中である。
6、変わらなければならないことはわかっているし、どう変わればいいかのアイディアもあり、どう実行すればいいのかもわかっているので、試行錯誤しながら実践したら改善点が見つかり修正を加えながらさらに実践中である。
といったような段階に分かれています。

こうやって分類してみると、結構多くの段階に分かれることがわかります。

ここで肝心なのは、段階が進むほど極端にその数が減っていく、ということです。

ただ、さすがに1番目の「全く気が付いていない。」という経営者については、かなり少なくなってきました。とはいえ、過去の成功体験の大きい年配の経営者で後継者もいない場合、ときどき見られるケースといえます。後半の6番は、経営革新のステップをきちんと踏んでいけばこんなレベルにまで到達する、ということになります。

この中で、最も数が多いボリュームゾーンは2番から4番までです。

特に多いのは4番の「変わらなければならないことはわかっている・・・しかし実行に至っていない。」というケースです。

つまり、なんといっても、やるべきことを実行していない経営者が実に多いということなのです。

ただ、4番は3番の「どう実行すればいいのかがわからない。」との距離は、かなり近いものがあります。というのは「新しい商品を開発する必要がある」とか「新しい売り方を模索する必要がある」といったとき、具体的な方向性や方針がまだはっきりと決まっていないケースが多いからです。

とはいえ、商品の開発にしても売り方の模索にしてもまず手をつけてみなければ始まりません。

つまり「試行錯誤」を繰り返さないことには分かるはずもないのに、驚くほど「まず手をつける」ということが行なわれないのです。

例えば、「新しい商品を開発したので、これを市場に売り込んでいきたい。」という場合、当然「これまで以上の強めの売り込み」が必要ですが、この時点でも「特に何もしていない」というケースは結構多く見られます。ここにあるのは「誰か買ってくれるだろう。」という待ちの意識か「誰か買ってくれるといいなあ。」という願望のどちらかです。

「待ち」にしろ「願望」にしろ、いずれにしてもこちらから何のアクションも起こしていないので事態が変わることはありません。

驚くことに、ここで止まっているケースは結構多いのです。

このように、4段階目で止まってしまうケースがものすごく多く、次の5段階目でその数は極端に少なくなります。つまり残り5,6段階とあるのですが、実際は前半の4段階が大半を占めるのです。

この境目の決定的な違いは何でしょうか。答えは極めて単純です。

「実行するかしないか」だけです。

たったこれだけのことができていないのです。それでは、いったいどうすれば打開できるのでしょうか。

これに対する答えはたった一つです。

「まず、やってみろ」です。

やってみないことには次のステップはまるで見えてきません。先述のケースの場合、まずがむしゃらに「売り込んでみる」ということを自らやってみる必要があります。

何かを掴むにしろまず滑り出さないことには、最初のきっかけさえ永遠にあり得ないことになるからです。

これは、ものすごく単純な事実なのですが、多くの経営者が実践していないのです。

私の場合なんとか頑張って、いろいろと手をつけてきたものも多いため、多少は世の中の変化に対応できてきています。つまり具体的に実践してきたことによって、業界の中でそれなりの差別化が図れていることは確かです。

同じことが他の経営者にも言えるのではないでしょうか。

どんな業界も俯瞰して見ると大抵は保守的です。

その中でちょっとでも新しいことに手をつければ差別化は図れるものです。

業界が保守的ということは、やるべき新しいことにほとんどの同業者は手をつけていないということになります。今すぐやらなければならない新しいことに少しでも早く手をつければ、他に抜きんでることは可能です。但しこれも、こちらがグズグズしていて時間が経過すればするほど、差別化を図ることが難しくなります。世の中の変化のスピードが速く、要求されるレベルが全体に上がってくるからです。

また、自分自身はなんとか変化していても、業界そのものが対応できていない場合、その業界全体が世の中に必要ないものとして潰されてしまう可能性があります。最悪、そうなったとしても先んじて変化に対して手を打っていいた経営者は生き残ることができるでしょう。

こうやって考察してくると、変化に対して何も手を打たないというのはあり得ない話なのではないでしょうか。

但し変化にはリスクがつきものなのも事実です。そのリスクを少しでも回避する手伝いができるのがパートナーである我々コンサルタントでもあるのです。
これからも変化を前提として、我々を有効活用していっていただきたいと思います。