連載コラム MCコラム第35話 アウトプットの必要性とその価値について考える ―それが必要な2つの理由―Ⅰ
これまで私は「情報発信」という言葉を度々使いながら、これまで培ってきた事業の歴史や現在行なっている事業内容などを外に向かってアピールすることをお勧めしてきました。
この「情報発信」という言葉、別の言い方をすれば「アウトプット」と言い換えてもいいかも知れません。
経営者は、日々色々な形でインプットを行なっています。
それは本業に関する新しい知識や技術の修得であったり、商売上での交渉経験であったり、人事的な対応であったり、係数の把握であったりと様々です。
このように、経営者は現在進行形で多様なインプットを行なっていることになります。
この現在進行形のインプットと、それまでに企業の中で蓄積された歴史風土、伝統(DNAと呼んでもいいかも知れません)のようなものが合わさって、ひとつの企業の経営者像が出来上がっていく訳です。
そうやって出来上がった経営者像が、企業そのものの方向性や打ち出す方針に色濃く反映されていくことは言うまでもありません。
私は経営者が持つそういったDNAや日々インプットしている様々な情報を一度きちんと整理して、事業を取り巻く様々な関係者(特に顧客)に向かってアウトプットしてみてはどうですか?とお勧めしているのです。
理由はこれまで何回も申し上げてきたように単純明快です。
そのことが御社の強力な「販売促進戦略」になるからです。
「アウトプットが『販売促進』になる? しかも、社長の中にインプットされた経験や情報にその価値がある?・・・そんな馬鹿な!」
と、お思いになるかも知れません。
実際そういった、社長自身の中に培われた様々な経験や知識そのものが、「販売促進」に貢献するという提案は、どんな理屈で考えてみても俄かに納得できるものではないでしょう。
それが、現実に効果があるとすれば、それはやがて会社全体の業績アップに貢献するという大きな成果を引き出す訳です。
ですから、「そんなことが起きるなんて!」と、にわかには頭の中で結びつかないのは無理もありません。
しかし、極めて冷静に実務的に申し上げますが、経営者から発せられる有効なアウトプットは、御社をプラスイメージでアピールできる大きな力になります。
それでもこの手法が、まだ一般的にはそれほど行なわれていないのはなぜでしょうか。
つづく