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連載コラム MCコラム第62話 どこへ向かって何を発信するのか―業界の人事からその行方を考える―  

 

 

仕事柄、様々な業界団体や組織とのお付き合いがありますので、ときどきその団体なり組織の人事交代のお知らせが来ることがあります。

いわゆる任期満了に伴う役職の交代などといったケースです。

 

そうすると、そこには錚々たる肩書が並んでいます。会長、副会長、理事長、副理事長、専務理事、担当部長、担当委員長、など様々です。私は、こういったいわゆる「会務」というものに全くタッチしていませんので、この人事の動きについてはほとんど無関心ですが、このような役職を引き受けて下さる方々には、いつも「ご苦労様です。」と感謝しております。

というのは、こういった様々な団体なり組織というものには、それなりに存在意義があります。そして、その運営のための「会務」を引き受けてくださる人たちのご苦労があって、それが成り立っているからです。

 

このこと自体、皮肉でも何でもなくそう思っているのですが、もう一つ思うのは、この方たちはいわばその団体や組織の「顔」なんだよなー、ということです。それらの団体や組織の執行部を構成する役職を引き受ける訳ですから、外に向かってはそれらを代表する「顔」の役割を果たすことになるはずです。

 

以前そう思った私は、この新規人事案内がきたとき、この業界なり団体を代表する方々のプロフィールを知りたくなり、各人のHP(ホームページ)を拝見させてもらいました。

というのは、それぞれは全くの個人的な立場で役職に就いている訳ではなく、背景にご自分の経営しておられる企業なり事業があっての役職だからです。この場合、通常その企業のトップしかそういった役職に就くことはできません。原則、№2、№3が就くこともないのです。さて、そのトップの方々がどういう企業なり事業に所属しておられるのかと思い、背景を知りたくてHPを見ることにしたのです。

そうすると、驚くべき事実に遭遇しました。

 

一般企業ではHPを持っていないということはさすがになかったのですが、資格業の場合、驚くほどその保有率が低かったのです。持っていても、いわゆる紹介業者が作成した電話帳広告をHPに置き換えた程度のものであり、ご本人の主張もまともな情報も全く知り得ないものばかりでした。一般企業のHPでも地方の中小企業の場合、ほとんどフリーズ状態で更新も長期間されていなものが多く見られました。

 

話を戻しますが、これはその業界なり団体を代表する役職を持った経営者のケースを申し上げているのです。

その皆さんのHPという基本的な情報発信媒体が、持っていないか驚くほどプアな状況だったのです。

これはコンサルタントではあり得ない世界です。

 

私はその理由を「何故だろう?」と考えてみました。ひとつには、役職につくこと自体、ある程度年齢を重ねた方が多いので、そういったデジタル系の知見にはあまり強くない、ということがあるのかも知れません。ただ、これはいつも申し上げていることでありますが、そういった新しいテクノロジーに対する直接的な知識や操作法などには弱くても、「意識」さえ向いていれば若い者に任せるといった方法も取れるはずです。

つまり「意識」そのものが希薄なのだろうと思うのです。

 

もう一つは、業界なり団体なりの「内側」に対する働きかけや情報発信には熱心でも、顧客を中心とした「外側」に対する情報発信に「気持ち」が向いていないのでは、ということです。本来であれば「内側」に向けるエネルギーに匹敵するくらい、いやそれ以上に「外側」に「気持ち」を向けなければならないはずですが、そうなっていません。

HPの件がまさにその姿勢を表しています。

 

こういった業界団体や組織の執行部は、その内部をまとめる役目と同時に、個々の会員レベルではできない広く社会に対してメッセージを発信していく、という役割があると思います。そういう意味では、各団体が運営するHPには専任の担当者がいて、内容もそれなりに充実しているようです。

にもかかわらず、個々の役員さんのHP開設或いは運営状況はあまりもプアなのです。

 

団体執行部を構成するトップ役員の方々も、日々の業務において、直接お相手されるのは自らの顧客であるはずです。

その顧客に対する情報発信がきちんと成されていないままに「会務」が先行していても意味がないのでは・・・というのが私の意見なのです。

 

基本的には「外」に向かった情報発信がプアであれば、やがて世間から足元を見られると思います。それは自分の会社だけでなく所属する業界に対するシビアな評価として跳ね返ってくる可能性があります。

 

まあ余計なお世話かも知れませんが、役職を引き受けられる方は、業界の「顔」という役目を担っていることを忘れずに、ご自分の会社なり組織の情報発信も怠りなく手配されることをお勧めします。