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連載コラム MCコラム第135話 「顧客の支持」というご褒美が待っている―生みの苦しみはあの人も同じ・・・―

「情報発信」は、ある程度継続しなければ意味がありません。というよりは、事業を継続するのと同様で、終わりのないチャレンジであることに変わりはないのです。

 

そうすると、社長さんの中には

「それが大変なんだよ。長く続けるのに何かコツみたいなものはないの?」

と、おっしゃる方もいます。

コツというより、ある程度軌道に乗れば様々な方法論を組み合わせることは可能ですが、それまではどうしても地道な努力の日々は続きます。

その点について、先日、たまたま面白い話を聞いたのでご紹介します。

 

ユーミンことシンガーソングライターの松任谷由実さんのことは皆さんご存知でしょう。彼女がFM局で、もう長い間ラジオ番組を担当していることをご存知の方も多いのではないでしょうか。何回か番組のタイトルは変わったようですが、現在に至るまでずっと続いていることは確かです。

 

先日、車を運転していたら、たまたまその番組が流れていたので久しぶりに最初から最後まで聞くことができました。このときは、二人のミュージシャンがゲストで出ていました。業界では有名な人たちなのでしょうが、私は初めて聞く名前でした。

 

その二人にユーミンが質問します。「曲を作るときに、二人はそれぞれどんな感じで取り組んでいるの?」そうすると、一人のミュージシャンは

「ぼくは怠け者だから、ぎりぎりになるまでなかなか取り掛からないなあ・・・始めるまではイヤでイヤでしょーがないけど、いったん始めるとだんだん乗ってくるね。」

と答えました。

もう一人は

「俺は、四六時中音楽と向き合っているのが苦じゃないんで、作曲もそんな日常の延長線かな・・」

と答えて、二人の個性がはっきりと分かれました。

 

さて、肝心のユーミンはどうなのだろう?と聞いていると、意外にも前者の彼と同様

「私も、普段はダラダラしている方だから、取り掛かるまでは苦痛で苦痛でしょうがないわ。でも、やり始めてしばらく経つと乗ってきて何とかなるの。」

というものでした。

松任谷由実といえば、ご存知のように荒井由実の時代からすでに何十年、ヒット曲も含めて何百曲も世に出している人です。その彼女も作曲のたびに、取り掛かるのに苦痛を覚えているというのは、私にとってちょっと意外な答えでした。

 

さて、私たちが取り組む「情報発信」ということでいえば、もちろんユーミンさんとはけた違いの話とはいえ、何かを生み出して伝えるという点では同様の試みです。何かしらの材料をもとに、それを整理し考え、最後には言葉で発するか文章に起こさなければなりません。アーティストのように完全にクリエイティブな作業ではないものの、何かを考え、生み出すという点では同じことなのです。ということは、先述のもう一人のミュージシャンのように、よほどそのことが職人的に好きでもない限り、毎回、苦しい作業であることは、万人に共通している現象なのかも知れません。

 

彼女の言葉で参考になるのは「とにかく、取り掛かればどうにかなる・・」というところです。

例えば「情報発信」について言えば、SNSで定期的にコラムなりブログなり、何かしらまとまった文章を発信するとします。内容的にはある程度の文字数がなければ格好がつきませんので、やはり、それを考えるのは結構大変な作業だと思います。ネタがまだおぼろげなものだったりすれば、書き始めるのは苦痛なものです。

 

私は、この書き始める前の「予想的及び腰」が、なかなか実行できない最大の難関だと思っています。おそらく大半の人は、書く前から、「今回はたぶん書けないんじゃないか。どうせろくな中身にしかならないんじゃないか。量がほとんど行かないんじゃないか・・・」等々、マイナスの方にばかり頭が向いてしまいます。この「予想的及び腰」をうんしょと踏み越えて書き始めないことには何も始まりません。

 

この最初で最大の難所を乗り越えたならば、あとはまだ頭の中でまとまっていなかろうが、ほんの小さなネタだろうが、最後までとにかく書き切ってしまうのです。このときは、細かい表現や修飾語なども全く未完成で稚拙なもので構いません。その話に起承転結があろうがなかろうが、とにかく最後まで書いてしまうのです。天才的に一発で素晴らしい文章を書ける人ならともかく、一般人は何回も見直してから書きあげるのが当然の作業なのです。

 

この、「とにかく何とかダァーっと書き切った文章」を、読み返してみると、初めは何とも痩せてプアな内容であることが普通です。これに、内容的にも或いは細かい表現や適切な修飾語などについても、少しずつ肉付けをしていくのです。それを2,3回繰り返せば、量的にも質的にもある程度まとまった文章が出来上がるのです。

 

ただ、これも「慣れ」ですので、初めは苦しいかも知れませんが、やがてこのパターンが身についてくれば、時間も投下するエネルギーも少しずつ軽いものになってきます。とはいえ、「生みの苦しみ」は、あのユーミンさんも感じているように、常について回ることは確かですので、その点は私たちも受け入れざるを得ません。

 

あとは基本的に「情報発信」を楽しむかどうか、ということだと思います。ミュージシャンが苦しい、といいながら音楽を世に出すことに生きがいを感じているように、社長も自らの事業について世に「情報発信」することを最後には楽しんでもらいたいのです。

 

それが優れたものであれば、ミュージシャンには「ヒット」というご褒美が、社長には顧客による「事業への支持」というご褒美が待っています

この「顧客の支持」を得たいがために、各企業は頑張っている、と言っても過言ではありません。

絶大な「顧客の支持」を得るためにも、社長の「情報発信」を続けてください。