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連載コラム MCコラム第183話 「社長」の「情報発信」は企業の根幹を変える―簡単ではない道だからこそ得られるもの―

 

 

先日の話ですが、ある若い起業家に会いました。彼は、インターネットから取得したデータ(おそらくビッグデータ的なもの)をもとに、顧客企業への検索アクセス数を飛躍的に伸ばす手法を発見したのです。そして、その膨大なアクセス数の分母を活用して、的確な販売促進策を実施することで、顧客企業の売上アップに貢献していく、というモデルを開発しました。彼のビジネスに関する私へのプレゼンテーションは理路整然としており、彼の成功を裏付けるに十分説得力のあるものでした。彼の会社の売上は飛躍的に伸びているようで、再来年にはマザーズで上場を目指しているとのことだったのです。

こういう青年と話していると、ビジネスに対する彼の目の付け所、組み立て方、その後の展開の方法、といったものが、私の世代とは全く異なっていることに驚かされます。

際立って異なるのはその「スピード感」です。

おそらく彼の年齢(20代半ば)からすると、今回のビジネスモデルを思い立ってから、わずか数年で現在のポジションまで登りつめたことになります。この「スピード感」は、私になどなかなか真似のできるものではありません。

というのは、私のコンサルティングモデルは、経験を積み重ねた年数とそれをまとめて形にし、ビジネスに仕立て上げるまでを数えてみると、7,8年の年数を要しているからです。時間がかかったことに、コンプレックスを感じているわけではありませんが、この「スピード感」の違いは大きいな、と思います。

彼の話を聞いていて、いかにもニュータイプのビジネスモデルだな、と思った私ですが、それではオールドタイプにも見える私のコンサルティングモデルはどういったポジショニングになるのでしょうか。コンプレックスではない、というものの、考えさせられるテーマではあります。

その前に、彼のようなニュータイプのビジネスモデルについて、もう少し考えてみたいと思います。おそらくそれはコンピュータの持つ、処理機能やネットワーク機能を高度に駆使して、世の中にすでにオープンになっている膨大な市場データから、顧客企業のビジネスに役立つ最適なデータを抽出してくる、というモデルではないかと思います。

その機能の利用方法やデータの抽出の仕方が、私のようなオールドタイプには想像もつかないようなプログラムのもとに形成されているのではないでしょうか。そのあたりは、私には何ともわかりません。彼の話を聞いていて、その単語やロジックが半分くらいしか頭に入ってこない私がいました。

一方、私が提供しようとしているコンサルティングモデルは、非常に分かりやすいものです。少なくとも私はそう思っています。

それは、ひとことで言えば、社長(経営者)に頑張ってもらって、書くことやしゃべること、或いは画面に登場してもらうことで、自社のビジネスを大いに「情報発信」してもらおう、という何ともアナログで地道なものだからです。

その発信すべきコンテンツと「情報発信」の仕方について、適切な内容ととるべき方法論があるので、それらについてコンサルティングを通じてご提供したいのです。

と、これだけ書けば、それほど難しい話にも思えないのではないでしょうか。実際、表面的な結果だけ聞けばその通りなのです。

で、これを実践した結果は、例えば私が経営する会計事務所が、人口2分の1にまで減少した過疎化の町にもかかわらず、売上を2倍にしたという実績が示しています。顧客のサンプルを示すとすれば、店舗数を順調に伸ばしている流通業であるとか、売上3倍を実現した自動車販売業であるとかを輩出していることで証明されているのです。

方法論や実績だけをサラッと書けば、上記のようなことになるのですが、私はこの裏には、企業にとってかなり重要な考え方、姿勢、哲学といったものが含まれていると思っています。

というのは、これから未来に向かっての企業活動において、情報発信力(アウトプット力)を身につけて、上記のようなコンテンツを常時発信していくのは、企業における必須事項だからです。

これまでの日本社会では、地方においては地縁血縁社会、大企業においては系列で構成されるピラミッド型の組織、といった極めてクローズなビジネス環境の中で、経済取引のバランスが保たれてきました。しかし、時代は変わりました。地方における地縁血縁社会をベースにしたモデルは過疎化高齢化によって崩壊しつつあり、大企業の系列などに支えられた旧来のモデルは、グローバル社会の中で競争力を失いつつあります。

企業は自らのビジネスについて、マーケティングを実施し、広く「情報発信」をすることで、おのれの存在感を強く訴える時代に突入したのです。しかし、このことを自覚している企業、特に地方の中小企業においては、極めて少数と言わざるを得ません。

つまり、企業における「情報発信」というのは、その表面的な結果のみならず、そこに至るまでのプロセス、取り組む姿勢や考え方が重要なのです。

しかしながら、現代経営における「情報発信」の重要性、その持つ意味、本質的な効果といったものを理解し、経営に活かしている企業はまだごくわずかなのです。これほど時間がかかっているのには理由があります。

それは、冒頭で触れた若い起業家のビジネスモデルとは、まるで真逆のモデルだから、ということになります。最も異なるのは、その「スピード感」です。おそらく彼の提供するタイプのモデルは、デジタル系のシステムを利用することで実現したい目標へのアプローチが速くなるので、結果が出るまでの時間も短いのだと思います。私の提供するモデルも、速く結果が出た方がいいに決まっているのですが、現実はなかなかそうはなりません。

何故ならば、ある方法論に従って処理すれば自動的に成功を勝ち取ることができる、といったモデルとは、根本的に異なっているからです。私がお勧めしている方法論は、本来はかなり時間がかかるものなのです。ただ現代の経営者は、多忙なためにこれをじっくり考えたり、大事なことを振り返る機会やタイミングを逸してしまっています。

先述しましたように、私は自分なりのモデルを構築するまでに、7,8年の歳月を要しましたが、現在現役の経営者はそんな時間はかけていられないと思います。その経営者の貴重な時間を有効活用するためにも、私が作り上げたプログラムに従ってこの課題に取り組まれることをお勧めします。

社長の「情報発信」は経営の根幹を変えるほどの力を持っていると思います。簡単な道ではないからこそ、達成したときに得られるものも大きいのです。社長自らが手掛ける「情報発信」・・是非チャレンジしていただきたいと思います。