連載コラム MCコラム第37話 「知らせること」の本質的な意味について考えてみる ―「誰に」向かって「何を」知らせるのか―
「情報発信」或いは「アウトプット」が大事、とこれまでいろいろと書いてきましたが、その本質的な意味についてもう少し深く掘り下げてみましょう。
私はこのコラムで、
― 社長は仕事に対する思想信条、取り組むときの姿勢、考え方などを、現在経営している事業活動に投影させているはずです。
その思いや日常の活動を外に向かって上手にアウトプット(情報発信)すれば、そのことそのものが事業の強力な販売促進活動になりますよ。―
と、お伝えしてきました。
これに対して
「何故そんなにアウトプットが大切なんだ。そもそも、私がどこの誰で、どんな事業をしていて、大体どんな考えなのかくらいは、知っている人はみんな知っているだろう。こっちだって、世間からどう見えているかはおおよそ見当がつくし、そんなことがそれほど重要とは思えない。」
といったご意見を持つ人もいるかと思います。
ただしそれは、自分でもおっしゃっているように「あなたを知っている人は知っているだけ」の話です。
さらに言えばそれは「あなたが知っているあなたを知っている人たち」だけに通じる話なのです。言葉がややこしくてすみません。
何を申し上げたいかというと、私がお勧めしたいのは、そんな狭い範囲のお話ではないということです。
もっと広い世界に、ストレートにあなたやあなたが取り組んでいる事業を売り込んでいこうよ、というお話なのです。
そのために、こちらが発信したい情報を整理し、ある程度ボリュームも持たせておけば、いつでも、しかも継続的に発信し続けることができますよ、という提案なのです。
ただ、その前段として、最初からいきなり大量の情報をストックしようとしてもまず不可能です。
「そうか、じゃあ事業についての資料やデータ、それから書き下ろした文章などをたっぷりと用意しなくちゃいけないなあ・・・」
などと考えていたら、おそらくいつまでたっても始まりません。
そういうやり方ではなく、自分はどういったことをアウトプットしたいのか、ということの「方向性」を大枠で決めたならば、まずは「出せる情報」からSNSなどを通じてどんどん発信していきましょう、とご提案しているのです。
但し、この「方向性」の決め方は極めて重要な要素になるために、自分だけで考えるのではなく、客観的な判断のできる専門家のアドバイスが必要ですよ、と申し上げているのです。
さて、そうやって発信し続けた情報は、次第にストックされて大きな財産になっていきます。
この大切で大きな財産を形成していく「出せる情報」の整理、判断ということも当初結構難しい作業になります。
そのために、この場面においても、長年こういったことに取り組んできた専門家の的確なアドバイスが必要とされるのです。