連載コラム MCコラム第6話 「東京主義」と「東京レベル」Ⅳ(おしまい)
この状況を打破するためには、まだ出会っていない未知の顧客を開拓していく必要があります。
しかしながら、これまで述べてきたようなマインド或いは慣習で商売が成り立ってきていたために、多くの経営者が何をどうしていいかわからない状況でした。
私自身も、ここまで述べてきたようなことをはじめから系統だってロジカルに理解していたわけではありません。
今でこそ、こんな風に書けるくらい分析し整理されていますが、当初は戸惑いの方が多く、どのように助言し修正を促していったらいいのかわからなかったのです。
ただ、「東京主義」と言われようとなんだろうと、自らの仕事だけはきちんとビジネスライクに仕事を進め、情報発信や販売促進を怠らないようにやってきました。
そして、その考え方や手法をできるだけ多くのお客さんに伝えようとしたのです。
お伝えする方はあまりうまくいったとは言えませんが、「東京主義だ!」と言われた自らのビジネスの方は伸ばすことができました。
このことを冷静に振り返ってみると、私が決して「東京主義」や「東京方式」といったものを貫こうとしたわけではないことに思い当たります。
それは「東京主義」といった自己主張の強いものではなく、しいて言えば自分が学んできた「東京レベル」といったものだったのではないかと思うのです。
もっと言えば「東京レベル」でもなく、ビジネスをやっていれば当たり前の考え方や行動を、できるだけ一流企業と呼ばれているそれに近づけたい、と頑張っただけのことだったと思います。
ただそれだけのことで地方では際立って見えることもあるということなのです。
当初「あんたのやり方は東京主義だ。」と非難し揶揄していた人たちも、もうそんなことは言わなくなりました。
ただ、私のお勧めする様々な手法にはまだそれほど乗ってきません。
これからも私はいわゆる「東京レベル」というものをできるだけ顧客である経営者の皆さんに伝えていきたいと思っています。
おしまい